06系
トップページ鉄道写真図鑑東京地下鉄>06系
 1992年登場。千代田線の列車増発を受けて増備分として製造された車両である。同時期に有楽町線に導入された07系とほぼ同一設計であり、共に「Gentle&Mild」というコンセプトの元で設計されている。20m4扉のアルミ合金製車体である点はそれまでに製造された05系等と同等であるものの、こちらは屋根が張り上げ屋根となった他前面が傾斜をつけつつ丸みを帯びた形状となり、また前面窓ガラスには大型の曲面ガラスが採用されている。このように同車は柔和な印象とスピード感を兼ねそろえたデザインとなっている点が特徴である。また乗務員室を広くしつつ全長を従来通り抑えたことにより、扉や窓の位置が他の車両とは若干異なる。帯色は千代田線のラインカラーである緑を基調とし、更に白とライトパープルの細帯が配されている。この帯色は6000系や16000系には反映されず、本系列独自となっている。また、当時の営団地下鉄の車両としては初めてスカートが取り付けられた。制御方式には07系同様日本の鉄道車両で初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されており、従来車に比べて使用電力量や騒音の低減が図られている。当時の営団地下鉄では同車を皮切りに他路線の車両でも同制御方式が採用されており、早期に普及した事業者として特筆すべき存在となった。車内はオールロングシートで、千代田線の沿線イメージにあわせ「おだやかで落ち着いた雰囲気」というコンセプトとなり、香色を基調とした内装となっている。座席モケットは普通座席がエメラルド系、優先席が青系の柄入りモケットである。また袖仕切りの手すりにモケットが張られている他乗降扉も模様のついた化粧板が張られており、特徴の一つとなっている。また、千代田線の車両としては初めて製造当初より車椅子スペースを備えた。06系は1993年3月のダイヤ改正より営業運転を開始した。6本が増備された07系とは異なり10連1本のみの新造で、以降増備されることはなかった。千代田線だけでなく直通先のJR常磐緩行線や小田急線でも活躍したが、1系列1編成かつドア位置が異なる特殊性から、2015年以降に投入された16000系の淘汰対象となり、2015年1月を以て運用を離脱した。保留車となった後同年8月に新木場に回送され、そのまま廃車されている。B修繕工事が施工されつつある07系とは対照的に短命な車両となってしまった。

 2010,01,24 豪徳寺


2021/01/10