10000形
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 2014年登場。製造から四半世紀が経ち老朽化が進んでいる1000形の置き換えを目的に造られた車両で、1997年の2000形以来17年ぶりの新形式車両である。2000形をベースとしつつも、「スマートモノレール」を車両コンセプトとし、種々の新機軸を取り入れている。車体はアルミ合金製で、製法の工夫により強度を保ちつつ従来車両よりも軽量化が図られている。前面から側面にかけて、沿線の緑、海、空をイメージした緑と青のグラデーションの帯が貼られているが、これはラッピングフィルムによるもので塗装は廃されている。尚、緑色の帯は東京モノレールでは初採用であるが、代わりに赤色の帯はなくなっている。前照灯・尾灯ともLED灯を採用しているが、この他に青色LEDを用いた車幅灯も新設されており、車両限界を明確化している。緑色の帯と共にこの車幅灯は10000形の外観上の特徴と言える。制御方式は2000形と同じくIGBT-VVVFインバーター制御方式で、2000形のものをベースに更に省力化・低騒音化が図られている。省力化という観点から、台車は東京モノレールの車両として初めてボルスタレス台車が採用された。運転台はグラスコクピットが取り入れられており、主幹制御器が左手ワンハンドルマスコンに改められた。また、同形式には列車情報制御装置が初めて導入されているが、これに汎用イーサネットを用いることにより、通信の大容量化に対応し速度の高速化も図られている。車内は先頭車と中間車でレイアウトが異なっており、先頭車は乗務員室背後がクロスシート、その他がロングシート。中間車はドア間が海側にボックスシートを設置し山側にロングシートを備え、車端部は窓側を向いたロングシートと1人掛けクロスシートの組み合わせとなっている。各車とも荷物置き場を備え空港利用者に配慮されている他、モケットに青海波紋様を取り入れ、車両間貫通扉に日本らしい模様を取り入れる等、海外からの乗客にも日本を感じられるよう工夫がされている。また車内灯も全てLEDとなった他、ドア鴨居部には初めてLCDによる車内案内表示器が設けられた。10000形はまず第1編成が2014年3月に入線し、同年7月に営業運転を開始した。この編成は増発目的で投入されているが、翌2015年に投入された第2編成以降は順次1000形を置き換えている。今後の東京モノレールの新たな主力車両としての活躍が期待される。

 2015,02,21 流通センター