8900形
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 2015年登場。7000形の置き換えを目的にアルナ車両にて製造された、現在の都電では最も新しい車両である。車体は8800形のデザイン公募時に一案として上がったもの(第3案)に類似した、直線基調のデザインとなっており、前照灯・尾灯とも角形のものが採用されている。前面は大型の一枚窓となっており、その左右にも窓が取り付けられているが、正面右側の窓の大きさが側扉の窓と同等に拡大されている。いずれの窓も周囲が黒く縁どられており、直線基調のデザインと合わせて「都会的イメージ」が表現されている。塗装は前面周辺及び上部・妻部・窓下が車両ごとのテーマカラー、それ以外の部分が白色となっている。このテーマカラーは増備時期によって変わることが予定されており、最終的には4種類の塗装(オレンジ・ブルー・ローズレッド・イエロー)が登場する予定となっている。走行機器類は基本的に8800形に準じており、制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用されている(装置も8800形と同じく東洋電機製のものが採用された)。なお、既存車では補助電源装置は屋根上に搭載されていたが、本系列では装置小型化に伴い床下に移っている。台車は既存車のものをベースに、一部改良が施されている。車内は優先席以外はロングシートとなっており、乗降扉付近の立ち客用スペースが広がり乗降の円滑化が図られているほか、吊り手および降車ボタンの数が従来車に比べて増加している。シートモケットは通常座席が青系、優先席が緑系となっており、いずれも都電のマスコット「とあらん」が図柄に採用されている。また、袖仕切りの形状が8800形に比べて小型化している他、袖仕切り部分には木目柄がプリントされている。車内照明は当初より全てLED灯が採用され、省エネ化・長寿命化が図られている。8900形は2015年9月より2両が営業運転を開始しており、2016年8月までに総勢8両が出揃い同数の7000形を置き換えた。基本的に2両ごとに導入されているが、導入時期により車両の塗装が異なり、現在は8800形と同じく4種類の塗装パターンが存在する。

 2015,09,20 荒川車庫前


■Variation
 2015年12月には早くも更に2両が追加導入された。こちらは塗装が青基調のものに変わっており、先に導入された2両とは印象が異なる。なお、8800形には青系の塗装を纏っている車両はなく、この形式独自塗装となっている。

 2015,12,20 町屋駅前
 2016年3月に営業運転を開始した8905・8906号車はローズレッドを基調としている。このように8900形は2015年度のうちに一挙6両が投入されているが、この投入ペースは8800形(各年度5両)を上回るものである。

 2016,05,07 荒川車庫前
 2016年度に導入された2両は黄色を基調とした塗装となっている。同年8月1日に営業運転を開始したが、この2両の導入を以て8900形は所定の両数に達しており、同数の7000形を置き換えている。なお、都電では2016年よりバックミラーへ蛍光テープの貼り付けを順次行っているが、この2両については当初より巻かれた状態で営業運転を開始している。

 2016,08,28 町屋駅前


2016/08/28