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2023年登場。1990年より長きにわたり東武鉄道のフラッグシップとして活躍してきた100系「スペーシア」に代わる、東武鉄道の新たなフラッグシップ車両として設計・開発された特急型車両であり、「スペーシアX」という愛称がつけられた。同形式は全て日立製作所で製造されており、同社の手掛けるアルミ合金製のダブルスキン鋼体である「A-Train」を採用している。前頭部は曲面ガラスを用いた流線形だが、側面から連なる幾何学模様も取り入れ、「非日常を感じさせる」独特なデザインとなっている。前照灯・尾灯は39粒のLED灯で構成されており、点灯数によりハイビーム、ロービームの切り替えができる。外装は日光東照宮陽明門の「胡粉塗り」をイメージした白色で統一されている。側窓は鹿沼組子に用いられる六角形や幾何学模様の他、愛称にもなっている「X」の字をイメージしており、特に先頭車では「X」の字が殊更強調されたデザインとなっている。制御方式はハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御方式で、500系とは異なり主電動機にPMSMは採用されていない(既存車と同様かご形三相誘導電動機を採用している)が、500系と同様走行機器類について二重化による冗長性が確保されており、万一の故障時であっても定時運転が行えるようになっている。なお、1・2・6号車(スタンダードシート以外)には、フルアクティブサスペンションを搭載している。車内は100系が通常座席と個室車の2グレード制であったところ、更なるニーズに応えるべく、座席区分が6種類に細分化されている。編成の半分は2+2アブレストのスタンダードシートで、背面テーブルと電源コンセントを備え、チルト式構造となっている他、シートピッチも1100oと「スペーシア」と同等となっている。この他1+2アブレストのプレミアムシートが2号車、ホテルラウンジをイメージしたコックピットラウンジが1号車、パーテーションで仕切られ半個室構造となっているボックスシートが5号車の一部、100系で採用されていた個室を更にグレードアップした4人定員のコンパートメントが6号車後ろより、プライベートジェットをイメージした定員7名のコクピットスイートが6号車後部にそれぞれ設けられている。なお、1号車「コックピットラウンジ」の車端部にはビールサーバーなどを備えたカフェカウンターが設けられており、地ビールやコーヒー、アペタイザーやスイーツ等が提供される。また、サニタリースペースは編成内に2か所あるが、このうち5号車は車いす対応となっている他、東武鉄道では初めて多目的スペースも設置されている。このN100系は2023年7月より営業運転を開始しており、同系列を使用した列車は列車名が行き先を問わず「スペーシアX」に統一されている。当初は2本の陣容であったが、2024年にかけて更に2本増備されており、同年のダイヤ改正で「スペーシアX」の列車本数が増加した。また本数が増加したことから団体輸送も行われるようになり、その絡みで既に通常の営業線区意外に野田線にも入線実績を持つ。
2023,08,30 せんげん台 |