ED5060形
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 1960年登場。貨物列車の無煙化を図るために導入された機関車の一形式である。従前製造されていたED5010形・ED5050形が日立製作所で製造されたのに対し、こちらは1950年製のED5000形と同様の東芝製となり、全機とも東芝府中工場で落成した。全長12m級のデッキ付き箱型電気機関車で、その車体形状はED5010形と殆ど差はないが、全幅、車高に差がある他、こちらは側面のルーバーの数が半減している(同時期にはED5010形の新造も並行しており、本形式での設計変更は1961年以降に製造されたED5010形にもフィードバックされている)。車体塗装は茶色を基調とし、デッキ部分をゼブラ模様とすることで警戒色としている。1966年までに13両が製造され、これを以て貨物列車から蒸気機関車が一掃され、無煙化を実現した。成田空港建設に伴う砕石輸送を実施するにあたり、1971年には本機のうち6両が重連総括制御に対応し、同じく重連総括制御に対応していた(当時の)私有機ED5080形と他の箱型電機と共に東武鉄道の貨物輸送の近代化を成し遂げた車両ではあるが、貨物輸送の縮小にあわせ、1984年以降廃車が発生。以降は貨物輸送の縮小と同時に数を減らし続け、1997年の佐野線貨物廃止以降はED5063号機1両のみが残る形となった。同機はED5080形と共に東武鉄道で最後まで残った久喜〜北館林間の貨物輸送に用いられたが、この貨物輸送が2003年に廃止になるとお役御免となり、同年中に廃車となり形式消滅した。1991年に廃車となったED5069・ED5070の2両は三岐鉄道に譲渡され、うち1両がED45形に編入されて2000年に竣工し、現在も使用されている。また、1987年に廃車となったED5067号機が栃木県子ども総合科学館の敷地内に貨車数両と併せて静態保存されており、往時と塗装は異なるものの比較的良好な状態を堅持している。

 2023,02,11 栃木県子ども総合科学館


2023/06/22