800系・850系
トップページ鉄道写真図鑑東武鉄道>800系・850系
 800系・850系は、館林地区で使用されていた5050系及び1800系通勤型の置き換えと、同地区におけるワンマン運転開始を目的として導入された車両である。元は東上線で使用されていた8000系で、8両編成を組んでいた編成のうちサハ8900形を除いた6両が種車となっており、修繕工事と併せて改造が施されている。編成を3両ずつに分割したうえで、モハ8300形とモハ8200形に8000系修繕車と同じ形状の運転台を新設することで、2M1Tの3両編成となった。併せて車番もハイフン併記のものに改番されている。東武鉄道は編成を偶数両数とし、MT比を1:1とする傾向が高く、このような組成とすることは同形式以降は2016年の500系導入までなく、珍しい事例といえる。この改造と併せて修繕工事も施工されており、同時期に施工された他の8000系修繕車と同様、ドアチャイム、車内案内表示器、自動放送装置の設置やスタンションポール、車外スピーカーの追設がなされた他、ワンマン運転に対応するため対応機器類が追設されている。更に一部車両について機器類の移設なども行われているため、総じて8000系の通常の修繕車両よりも改造箇所が多くなっている。800系・850系は各5本の陣容となったが、当初は800系・850系を1本ずつ併結した6連を組成し、本線準急を中心に暫定使用された。2006年の3月改正により本来の用途に転用され、佐野線及び館林以北の伊勢崎線で用いられるようになった。本改正より佐野線は全列車がワンマン運転となり、1800系通勤型車両が全廃となっている。以降現在に至るまで館林地区ローカル輸送の主力車両として、同じくワンマン運転に対応した8000系2連編成と共に使用されている。なお、この改造に際し余剰となったサハ8900形はこのまま廃車されており、東武8000系としては初の余剰廃車となっている。

 2020,03,20 館 林


■Variation
 800系の伊勢崎方先頭車は運転台が増設されている。後期修繕車両と同様の前面デザインとなっており、既存の運転台側とはほぼ差異がない。

 2020,03,20 館 林
 850系は浅草方先頭車で運転台が増設されている。ダブルパンタグラフのモハ8200形が種車であり、制御車への改造後も引き続き維持しているため、関東地区の鉄道車両としては珍しい所謂「前パン」の車両となっている。

 2020,03,20 館 林
 800系・850系は竣工当初、浅草方に800系、東武日光・伊勢崎方に850系を連結した6連で伊勢崎線浅草口を中心に使用された。この当時は準急列車としての運用を主体とし、伊勢崎線のみならず日光線にも乗り入れていた。2006年3月のダイヤ改正に合わせて本来の用途である館林地区に転用されており、以降は6連を組むことはなくなっている。

 2005,12,16 松原団地★
2020/03/22