500系
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 2016年登場。東武鉄道が有する広範な路線網を活かし、分割併合による多層建て運用が可能な特急型車両として開発された、250系以来実に20年振りになる新形式の特急型車両である。愛称は「Riverty」で、500系の多様性と自由度の高さを象徴する「Variety」と「Liverty」をかけた造語である。車体は東武鉄道の車両としては戦前以来となる川崎重工製で、20m級アルミ合金製の車体を有し、制御電動車2両に付随車1両という3両で1編成を組む。車体デザインはKEN OKUYAMA DESIGNが担当しており、外装はシャンパンベージュを基調として窓上にフォレストグリーン、窓下にフューチャーブルーのラインを配することで、東京スカイツリーや沿線の自然等が表現されている。前述のとおり多層建て運用を行うことを想定しているため、前面には貫通扉が設けられ、自動幌を備えているが、前面は貫通型ながら流線型に近いデザインとなり、特急型車両としてのスピード感が表れている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、東武鉄道では初めて主電動機にPMSMが、また補助電源装置にはSiCが本格的に採用された。いずれも機器類の冗長性が確保されており、一系統に不具合が生じても、仮にそれが日光線の急勾配区間で発生したとしても遅延が生じないよう設計されている。車内はリクライニングシートが1000oピッチで展開する。この座席は江戸紫をイメージした紫基調のモケットが採用されており、全席にコンセントが設けられている。天井部は川をイメージした波型の形状となり、座席袖に「印伝」をモチーフとした模様がつけられ、窓間には荷物用フックと共に「トンボ」を模した飾りが付けられるなど、総じて和を感じられる内装となっている。客室扉の鴨居部には車内案内表示器が取り付けられているが、液晶表示器ではなくフルカラーのLED表示器が設けられている。なお、サニタリースペースとAEDは中間車に集中配置され、トイレは男性用を除き全てウォシュレットが採用された。なお、100系「スペーシア」とは異なりこちらはモノクラス組成となっている。また、定員を確保する目的もあり供食スペースや自動販売機は当初より設けられていない。500系は2017年4月より営業運転を開始し、「リバティけごん」「リバティ会津」を中心に、朝晩には「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」、「リバティりょうもう」と、一都五県という広範囲で活躍をすることとなった。なお、同車の就航により浅草と栃木・福島県を結んでいた快速系の種別は廃止されることとなった。2018年からは350系に変わり「尾瀬夜行」「スノーパル」等夜行列車にも充当されるようになり、夜行列車のサービス向上にも寄与した。なお、分割併合運用の実施を始め既存の特急型車両にない特徴を持った車両の導入が評価され、2018年には東武鉄道の車両として初めて鉄道友の会のローレル賞を受賞している。500系は2017年までに3連8本が製造されたあと、2020年にも3連3本が増備され、現時点では11本の陣容となっている。2020年11月改正では一部「りょうもう」も本系列による「リバティりょうもう」に変更され、桐生線にも乗り入れるようになった。

 2017,06,24 栃 木


■Variation
 2編成併結した6連を組む500系。異なる行き先の車両を途中駅まで併結して運用するなど、従来の東武特急車両にはない柔軟性が500系最大の特徴といえる。2020年からは新たに柏、赤城へも定期列車として乗り入れるようになり、ますますその運行範囲を広げている。

 2020,03,20 栃 木
2020/12/27