12系
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 東武鉄道では「SL大樹」の運行に先立ち、14系と共に12系客車2両もJR四国から譲受していた。14系客車が整備され「SL大樹」の客車として運行される中、12系客車は整備や改造が長年施されずに部品取り車両としての様相を呈していたが、SL3両化を前にした2021年に、新たに展望デッキ付きの中間車両として改造されることとなった。改造された車両は、新たに「オハテ12形」という形式がつけられ、「SL大樹」用客車の仲間入りを果たした。外装は旧型客車の3等車をイメージし、ぶどう色を基調に窓下に赤色の帯を配した車両(オハテ12-1)と、10系客車のグリーン車をイメージし、青を基調に窓下に淡緑の帯を配した車両(オハテ12-2)に分けられている。いずれもサニタリースペースがない側においてデッキ付近の内装を撤去し、開口部及び転落防止用柵を設けて展望デッキとした点が特徴であり、本車を象徴する設備となった。この展望デッキには、異なる高さのベンチやヒップレストが配置され、子供の着席にも配慮されている。展望デッキ部分の照明はカンテラ調となっている。一般の客室部分は4人掛けのボックスシート(発生品の流用だが、モケット換装を含め大規模に整備された)に改められ、座席間には大型テーブルが設けられている。なお、本来12系の内装はボックスシートだが、種車のJR四国時代はグリーン車に改造されてリクライニングシート3列配置となっていたため、その点は今回の改造により製造当時の仕様に近づいたものといえる。客室部分の化粧板は木目調で統一された他、車内照明は全てLED化されている。また、側窓は元々上下方向に開閉が可能であったが、改造に際し下段窓が固定されている。種車の車端部には荷物置きスペースが設置されていたが、この部分はアテンダントカウンターとモニター併設のギャラリーに改められた。なお、サニタリースペースは存置されたが、隣接車両のトイレが使用できることから本車では閉鎖されており、業務室扱いとなっている。このオハテ12形は2021年10月の団体臨時列車を皮切りに、順次運行が開始された。本車が「SL大樹」に充当される際は、編成の塗装を本車にあわせた車両で極力統一する予定になっている。

 2021,11,28 鬼怒川温泉


■Variation
 オハテ12-2は、「10系客車のグリーン車」をイメージして青15号に近い塗装を基調に、窓下に淡緑6号の帯を巻いている。同じ青色でも、前述のとおりイメージが10系客車のため、14系客車の青色に比べて淡い色合いとなっている。

 2021,11,28 鬼怒川温泉

2021/11/29