8000系
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 1990年登場。同年4月にいずみ野線が延伸し、準大手私鉄から大手私鉄に昇格した相模鉄道では、1960年代に製造された高性能車6000系が置き換えの時期を迎えていた。同車の置き換えを目的に製造された車両が8000系であり、大手私鉄となった相模鉄道における初めての新型車両である。20m4扉、アルミ製車体という点はそれまでの車両と同じだが、こちらは車幅2930mmの幅広車体となり、袖が絞られている。前面はくの字状になっており、貫通扉は正面から見て左側に設けられ、前照灯は中央下部に設置される等それまでの車両とはまったく異なる外観となった。また8000系ではスカートも設けられているが、車体と一体化したデザインとなっており、白色に塗装されている。制御方式はGTO-VVVFインバーター制御方式が採用されており、新7000系で試用されたものが本格的に採用されている。直角カルダン駆動方式やディスクブレーキの採用など、それまでの相鉄の車両の特徴も受け継いでいるが、制動方式は相鉄で初めて電気指令式ブレーキとなり、万一の救援時等に備えブレーキ読み替え装置を搭載している。車内はロングシートを基本としているが、中間車2両にセミクロスシートが導入されている。この点も新7000系での試用を経て本格導入されたものである。また白色の化粧板(扉にも貼り付け)に暖色系のモケットとなっているため、従来車両よりも明るい車内となっている。初期編成は妻面に3段式のLED車内案内表示器、後期編成は扉上に1段表示の車内案内表示器が設けられる等、サービス面においては従来車にないものも取り入れられているが、油圧式パワーウィンドウ等も受け継がれている。8000系は2001年までに10連13本が製造されたが、増備の途中で9000系も並行増備されたこともあり、製造年によってはマイナーチェンジが施されている。尚、この8000系は輸送力増強に鑑み当初より10両固定編成で製造されているが、この点も相鉄では初の事項となっている。現在は1本が事故廃車されているが、それでも現在の相鉄の車両では最も両数の多い存在であり、車内リニューアルや保安機器装置の交換、初期車の行き先表示のフルカラーLED化、更には新塗装への塗り替え等、後天的な改造を経ながら現在も主力車両として活躍している。2020年からは9000系に続き「YOKOHAMA NAVY BLUE」への塗装変更と前面デザインの変更が開始されたが、この変更の対象は1993年製の第8編成以降に限定され、それ以前に製造された車両は20000系への置き換えに伴い同じく2020年より廃車が開始されている。

 2014,05,11 天王町


■Variation
 登場時の面影を残していた時代の8704F。運番表示器はこの編成からマグサイン式になったが、種別・行き先表示は方向幕が引き続き採用されている。こちらは登場時に纏っていた外装となるが、新塗装への塗り替えによりこの姿は2014年に消滅している。また、事故廃車された第7編成を除き、初期に製造された6編成については2021年までに全て運用を離脱している。

 2008,09,02 上星川
 1994年に製造された8708Fでの試用を経て、1995年に製造された8709Fより行き先表示器が本格的にLED化された。こちらは登場時に纏っていた外装となるが、新塗装への塗り替えによりこの姿は2014年に消滅している。

 2008,09,02 西 谷
 「YOKOHAMA NAVY BLUE」によるリニューアル工事が施された8709F。9000系のリニューアル車同様一色塗装に改められた他、前照灯位置の変更や表示器のフルカラーLED化等が施されている。内装も座席詰め物、モケットの換装がなされているが、9000系ほどの大規模なリニューアルは施されていない。8708F以降の車両が順次リニューアルによりこの姿に改められることが予定されている。

 2021,12,16 天王町
 灯具配置が変更され、表示器がフルカラーLEDに換装された8710F。「YOKOHAMA NAVY BLUE」への変更は行われず元の塗装を堅持しているが、それ故非常にのっぺりとした印象を持つ。

 2023,05,24 緑園都市
2023/05/31