スハフ500形
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 1959年に中部電力から大井川鐵道に経営が移行し、専用鉄道から地方鉄道に変わった井川線では、登山客・観光客の利用が増加した。それにより、中部電力時代に製造されていた客車7両の他にスロニ200形とスロフ300形を製造して旅客輸送に対応したが、ことに観光・登山のシーズンでは輸送力が不足し貨車に旅客を乗せる事態も発生していた。この状況下で半ば急ごしらえで製造された客車がスハフ500形であり、1972年に3両が配置された。トキ200形からの改造車両であり、改造時に屋根・外板を取り付けているが、この時点では窓がなく、トロッコ車両然とした姿となっていた。1976年に側面・妻部に2段窓が取り付けられており、外観上はスロフ300形等に少し近づいたが、車内はロングシートでかつ全ての座席に背ずりがつけられておらず、等級「ロ」の各車両及びクハ600形とはアコモデーションに差が生じている。なお、車両により内装のカラースキームは異なっていた。3両とも他の客車群と共に2010年代に入るまで井川線で使用されていたが、1両は2017年に再改造のうえスロフ300形に編入され、1両も運用離脱していたため、末期はスハフ501号車1両のみが現役で使用されていた。このスハフ501号車も近年は運用に就かず、2021年に搬出されている。

 2014,01,24 千 頭


2021/11/25