DD100形
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 井川線の前身にあたる中部電力専用鉄道が大井川発電所から堂平まで延伸することに際し、井川ダム建設時の資材輸送用に製造された35t級凸型ディーゼル機関車がこのDD100形である。全長11m級のセンターキャブ型で、専用鉄道の機関車ながら比較的大型の車体となっているが、車両限界の関係から車高が2700oに抑えられており、それゆえキャブの低さが目立つ。本形式は当初三菱重工と日立製作所で3両ずつ製造されたが、前者はロッド駆動、後者はトルクコンバーターを採用した液体式となっている。ボンネットの位置・寸法やキャブの高さもそれぞれ異なり、前者はボンネットが正面から見てやや左側に寄っており、キャブからの視界確保に配慮している他、乗務員室と機械室を内包した設計となっている。後者はキャブ内に機械室がない他、正面窓高さが低くなっている。なお、いずれの車両も最大出力225PSのエンジンを2基搭載している。また、これら6両は茶色一色の塗装で落成している。中部電力専用鉄道が大井川鐵道に移管した翌年にあたる1960年には、畑薙ダムの建設に際しての資材輸送及び旅客輸送の増強を目的に2両が追加製造されており、これで本形式は8両の陣容となった。増備された2両は新三菱重工製で、車体形状は三菱重工製の3両に似るが、こちらはロッド駆動ではなくなっている他、機関出力が最大230PSに増大した。また、製造当初からクリームとバーミリオンという、井川線の客車と同じ塗装で製造されている。また排気管を床下に通し、ボンネットの前部から排気筒が露出するという特徴的な姿を有している。この増備により本形式は8両の陣容となったが、全車が一堂に会していた期間は非常に短く、1962年の畑薙ダム完成以降は貨物輸送が減少したことから余剰気味となり、1963年から翌年にかけて、キャブが狭く運転取り扱いに比較的難があった日立製作所製の3両が除籍された。除籍されたこれらの車両は上武鉄道と東濃鉄道にそれぞれ譲渡されている。残る5両は引き続き井川線において客貨輸送に用いられた他、特筆事項として大井川本線から井川線に直通する臨時列車の牽引に抜擢されたことがある。その後もダム建設の進捗により貨物輸送は漸減し、旅客輸送はシーズンにより輸送量の差が大きく通年使用では5両は余剰であることから、1969年から廃車が始まっている。1969年、1974年に各1両が除籍された後はしばらく3両体制となっていたが、1982年からは本形式及びDB1形の後継機としてDD20形が登場し、それに置き換えられる形で残る3両も1986年までに全車廃車となった。なお、他社に譲渡された車両は、譲渡先の路線が廃止される(上武鉄道:1986年、東濃鉄道:1978年)まで使用されている。最後まで在籍していたDD107号車のみ両国車輌区に残され、除籍から40年近く経過した現在でもその姿をとどめている。

 2014,01,24 両国車輌区


2025/11/27