420系
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 1994年登場。近鉄養老線の車両近代化に伴い廃車となった420系2連1本を譲り受けたものである。近鉄420系は、元々は名古屋線の特急車両として1953年に製造された6420系であり、当初より転換クロスシートを備えた車両であった。特急運用を外れた後は一般車格下げを経て養老線に移籍し、同線で終焉を迎えた。譲渡に際しては特急運用に使用されていた際の塗装に復元されているが、一般化改造された際に設けられた中扉は埋められずに残されており、現在大井川鐡道の車両の中では唯一の3扉車となっている。また、ワンマン化改造もされているがそれ以外は主だった改造もなく、車内も近鉄末期からのセミクロスシートのまま存置されている。同じ近鉄や南海から高性能の冷房車が入線して尚、それら車両に伍して活躍が続き、元北陸鉄道の6010系が引退した後は唯一の非冷房旧性能車として、また近鉄の釣り掛け駆動車両としても最後の存在であることから非常に貴重であったが、晩年は運用を外れがちになり予備車として新金谷や千頭に待機することが多くなった。2009年5月の運用を最後に運用には入っておらず、その後は千頭駅構内や大代側線で留置されていたが、その間に前照灯などの取り外しがなされ、結局2016年6月に廃車解体されている。同車の廃車を以て、大井川鐵道から釣り掛け駆動の旅客車両は全廃となった。

 2009,03,21 金 谷〜新金谷


2016/07/03