スロフ1形
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 1954年、後の井川線となる路線の堂平延伸を控え、前年の1953年に当時の中部電力専用鉄道が2両製造した客車である。同時期には同じく客車のスハフ1形も製造されていたが、スハフ1形が職員輸送を専用としたのに際しこちらは来客輸送用となり、オープンデッキでなく通常の客用扉を採用する等こちらの方が接客設備が上だったことから当時の国鉄2等車と同等の形式が付けられている。尚、この客用扉は折り戸であり、左右非対称に設けられている。スロフ1形は全長がわずか7.3mと非常に短いが、それでも乗り心地の向上のために2軸車とならずにボギー車となっている点が特徴的である。車内はロングシートとなっており、着席定員は16名となっている。尚、車内に冷暖房装置は装備されていない。1959年の大井川鐵道引き継ぎ後は引き続き旅客列車に使用される事となるが、後継の車両に比べて明らかに車長が短かったことなどから次第に運用を外れ、1990年には全車廃車となった。現在は2両とも新金谷駅前にある施設「プラザロコ」にて静態保存されている。

 2009,03,21 プラザロコ