3000系
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 1979年登場。当時老朽化しておりかつ輸送力に難のあった旧型車両を置き換える為に、駿豆線に導入された自社発注車両である。車体は20m3扉で、初期に製造された車両は従来の主力車両である1000系と同様普通鋼製となっているが、そのデザインは大きく変わっており、丸みを帯びて窓周辺が窪んだ前面と、袖の絞られた車体が特徴となっている。塗装も従来車とは大きく異なり、青と白の2色が廃された独自塗装となって以降の伊豆箱根鉄道の標準とされた。車両性能も刷新され、伊豆箱根鉄道の車両として初めてカルダン駆動方式が採用されている。また制動には電気指令式ブレーキが導入され、更に大手私鉄でも当時京急などで採用され始めたばかりの右手ワンハンドルマスコンハンドルも取り入れられており、地方私鉄の自社発注車の中では非常にレベルの高い車両と言える。車内は通勤通学と観光の両輸送を行うことからセミクロスシートが採用されており、当初より冷房装置を搭載することでサービスアップの貢献した。3連6本が製造されたが、1982年までに製造された4編成は鋼製車体で白地に青い帯が巻かれており、間をおいて製造された残りの2編成はJR211系に合わせたステンレス車体を採用している。このうち最終増備の第6編成は、第5編成よりも10年遅い1997年に落成している。これはラッシュ時輸送に難のある7000系の反省に基づいた増備であり、行き先表示のLED化や車内案内表示器の設置、パンタグラフの変更等大幅なマイナーチェンジが図られた。なお、いずれの車両も東急車輌にて製造されている。第1編成の登場から既に25年以上が過ぎているが、全車とも2008年以降にワンマン化改造、2010年以降にドアチャイムの追加設置が施されており、現在でも駿豆線一番の主力車両として活躍している。

 2018,12,01 三島二日町〜大 場


■Variation
 第1編成は駿豆線快速列車運転に伴い中間車1両が転換クロスシート化された。転換クロスシートの部分を座席指定として運転するものであったが、快速は1998年に廃止されており、以後は座席の変更もないまま専ら普通列車として走っている。7000系と同じく乗りドクな車両であるといえよう。

 2007,04,02 修善寺
 駿豆線開業120周年を記念し、1963年まで存在した軌道線と同じ塗装に塗り替えられた第1編成。緑とクリームのツートンカラーだが、江ノ島電鉄の車両に近い色合いとなっている。

 2018,12,01 三島二日町〜大 場
 1987年に製造された第5編成。この編成からJR211系に準じた軽量ステンレス製へと変更されている。同編成までは、行き先表示器に方向幕を採用している。

 2018,12,01 三島二日町〜大 場
 最終増備の第6編成はLED式行き先表示器・スカート・電動ワイパー・下枠交差型パンタグラフなど、それまでの3000系では採用されなかった装備が多数採用された。また、室内座席はバケットタイプとなった他扉鴨居部には千鳥配置でLED案内表示器も設けられ、サービス面の向上も図られた。

 2007,04,02 修善寺