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第1編成は1958年登場。雑多な旧型車両を置き換えるべく製造された車両群である。全長18m級の全金属車体を有し、前面は所謂「湘南型」と呼ばれるデザインとなっている。側扉はいずれも片側2か所で、製造時期により片開きと両開きが存在する。一部の車両には日本車輌製のトーションバー台車が全国で初めて採用されており、以降も採用例が殆どなく希少な存在といえるが、駆動方式は従来のまま釣り掛け駆動方式となっている。30形は1980年までの長期に渡り22両が製造されたが、その仕様は製造年次によって異なる。例えば走行機器類を廃車発生品から流用した車両と完全新製した車両、前述した側扉の形状および窓配置、前面への行き先表示器の有無などが挙げられる。尚、新製車は発電制動が採用されており、釣り掛け駆動車には珍しく減速時にも制動音が聞こえる。電動車がモハ30形、制御車がクハ80形という形式が付けられているが、琴電30形と同様39以降の番号は20番台・70番台に逆戻りしている点が特徴的である。因みに1978年に製造された編成は当初から冷房を搭載している他、唯一50番台が付番されている最終増備車については前面形状が変更された他、中空軸平行カルダン駆動方式となり30形唯一の高性能車となった。ただし後継の1000形以降の車両とは制動の相違から併結運転はできない。1986年以降に一部非冷房車も冷房化されており、1000形登場までは主力車両として活躍したが、廃車そのものは1980年から開始されており、1000形や2000形の増備により1990年代以降廃車が進行した。2015年には定期運用がなくなり、以降残存した編成は予備車となったが、これらも2018年までに全車廃車されており、これにより遠州鉄道からはED28形電気機関車を除いて釣り掛け駆動車両は姿を消している。
2008,09,06 西鹿島 |