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ED14形は1960年に導入された電気機関車である。元々は1926年にアメリカから輸入された国鉄のED14形であり、4両が導入された。導入当初は東海道線で使用され、後継機の導入により中央本線や飯田線に転じて用いられたのち、現役末期は作並機関区に配置されて直流電化時代の仙山線作並〜山寺間で用いられた。一時期西武鉄道に転じた車両もあったが、最終的に1966年までに4両全機が近江鉄道に移籍した。総出力が約1,000kWと非常に強力ではあったが(黎明期の舶来電機ではあるが、私鉄が保有していた電気機関車としては、西武鉄道のE851形に次いで高出力を誇った)軸重が15tあり、高宮〜尼子間にあった犬上川橋梁の通過が制限されたことから、高宮以西の本線には入線が不可能であったが、近江鉄道では元々1960年に開始されたセメント原石の輸送を主目的に導入されており、基本的には多賀と彦根にそれぞれ存在した住友金属の工場間を結ぶ貨物列車を主体に用いられた。その後、1974年からはキリンビール専用線の開通によりビール輸送も行われるようになった他、軌道改良により米原〜彦根間にも入線可能になり、鳥居本〜彦根間の石油輸送にも用いられるようになった。しかし1980年代になり貨物輸送は漸減し、運用の大部分を占めていたセメント原石輸送は1986年に廃止されて、その時点で2両が休車となった。1988年には最後まで残った鳥居本〜彦根間の燃料輸送も油槽所閉鎖に伴い廃止されたため、貨物輸送は全廃され、稼働状態で残った1・4号機は事業用として入れ替えや除雪、イベント時に用いられる程度となった。4両とも基本的に彦根駅に留置されたまま21世紀まで車籍は残されたが、休車状態であった2・3号機が2004年に廃車された。その時点で車籍が残っていた車両も含めて彦根駅構内に設置された近江鉄道ミュージアムに保存展示されており、貴重な舶来電機が全車とも現存していた点でも貴重であったが、2018年12月にミュージアムが閉館すると、翌2019年の1月から3月にかけて4両全機が解体されてしまい、本形式は全廃となった。因みに本形式と同型で牽引力の伝達方式が異なるED11形については、現在も全機現存している。
2014,04,26 彦 根 |