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1991年登場。接客設備の陳腐化が顕著な100形・200形と、単行では輸送力不足であったLE10形の置き換えを目的として自社彦根工場で製作された両運転台車両である。LE10形が12mであるのに対しこちらは16mと大型化している。それまでの車両と異なり前面が折妻形状のブラックフェイスであり、角型ライトと相まって非常に軽快な印象を持つ。この前面形状は後に登場する800系にも引き継がれている。車内はロングシートであり、ワンマン運転にも対応している。また近江鉄道の電車としては初めて冷房も取り付けられているが、単行での使用を前提としていることから補助電源装置が取り付けられず、冷房は直接駆動方式のものが取り付けられた。直流1500V線区において、直接駆動方式の冷房装置が採用されたのはそれまでに殆ど例がなく、同車以降他の鉄道事業者にも波及している。尚、扉及び一部車両の側窓は西武701系から流用されている。軽快な外観とは裏腹に主電動機、制御器、コンプレッサー並びに台枠は自社の廃車発生品が流用されており、釣り掛け駆動方式となっている。ただし台車は西武鉄道の発生品があてがわれている他、制動方式は電気指令式ブレーキが採用されている。。220形は1996年までに6両が製造されたが、車籍は新製扱いとはならず置き換えた車両の車籍をそのまま引き継いでいる。近年まで全車が在籍しており、かつては快速運用にも充当される等主力車両の一翼を担っていたが、走行機器類の老朽化が進行していることから、2014年より100形によって順次置き換えられていくこととなった。2014年のダイヤ改正以降、220形は米原〜多賀大社前間を中心に使用されており、八日市方面には全く乗り入れなくなっている。更に2015年3月には残る運用からも撤退することで、定期運用からは完全に退くこととなった。尚、末期の221号車は事業用車の扱いになっており、走行が不能となった電気機関車に変わり貨車牽引等に用いられている。この他の車両も両運転台という同車の特性を活かし、譲渡車両の搬送等に用いられることもあった。現在は226号車のみ事業用として現存するが、残り5両は廃車解体されている。
2008,08,05 多賀大社前 |