ED10形・E71形
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 ED10形は1922年にアメリカのWH社(機器類はボールドウィン社製)で2両が製造され、翌年に日本へと輸入された電気機関車であり、同時期に輸入された電気機関車同様、鉄道省が所有する路線の電化開業にあたり電気機関車の性能を確かめる目的で導入されたサンプル機の一つである。同時期の数ある輸入機の中でも、最初に輸入されている。全長12m級のデッキ付箱型車体の電気機関車で、デッキ部まで張り出した丸みを帯びた庇や、車体中央部に側扉が設けられている点が外観上の特徴である。また、落成当初は直流600V、直流1200Vの双方に対応した複電圧車両となっていた。当初1000形と称したが、1928年の称号規定改正に伴いED10形へと改番された。落成当初は山手線の他、複電圧仕様を活かし、途中で直流1200Vに昇圧した中央本線でも用いられたが、後に国府津機関区に転属し東海道本線の牽引用となった。東海道本線転用後は伊東や久里浜に配置されることもあり、ほぼ一貫して東海道本線、伊東線や横須賀線で客貨輸送に用いられた。なお、1号機は戦後の僅かな期間東武鉄道に貸し出されていたという記録がある。国鉄時代末期は久里浜に配されて横須賀線を中心に用いられ、1959年から翌年にかけて2両とも国鉄から廃車された。このうち2号機のみ西武鉄道に譲渡されており、同社E71形として1962年に再起した。他の機関車と同様、西武鉄道ではディープラズベリー一色となり、貨物輸送や工事列車牽引に従事した。E31形の台頭に伴い1986年に除籍されているが、以降は横瀬車両基地で静態保存されている。後に塗装がぶどう色に復元され、ED10形時代のナンバープレートを取り付ける等、他の機関車と異なり国鉄時代末期の姿が再現されている。

 2013,10,06 横瀬車両基地


2026/01/17