40000系
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 2016年登場。2000系や9000系の置き換えに加え、新たなサービスの提供を行うべく投入された、現在の西武通勤型車両では最新の車両である。それまでの日立製作所ではなく、川崎重工が製造を担当しているが、川崎重工の西武車両の製造は実に90年ぶりとなる。車体は前頭部を含めてアルミ合金製のダブルスキン鋼体が採用されている。同車は30000系とは異なり地下鉄や東急線等への直通運転が考慮されたことから車体幅は2808oとなり、袖は絞られていないが、前頭部は30000系の「卵型」の面影を残した丸みのあるデザインとなっている。ホームドアを考慮し、側扉の部分に30000系に準じた色が付けられたほか、車いすスペースの近くにある扉については、ピクトグラムを併記することで案内に一役買っている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、主電動機には全閉型のPMSMが採用されている。またSIVにはSiC素子が用いられている。列車情報管理装置は30000系で採用されたS-TIMが踏襲されている。当初製造分については、車内はロングシートとクロスシートを切り替えられるデュアルシートが採用されている。車端部はロングシートだが、ハイバックシートが採用されたほか、ひじ掛け部にはコンセントが設けられた。デュアルシートはクロスシート時には転換が可能な構造となっている他、壁側にはコンセントが設けられ、クロスシート時に利用できるようになっている。この他、10号車(池袋寄り)は先頭部が「パートナーゾーン」と呼ばれるフリースペースとなっており、この部分は座面の浅い窓向きロングシートがわずかに設置されている程度で、残りは立ち席スペースとなり車椅子やベビーカーの利用者に配慮した設計となった。この部分だけ窓が大型化されており、手すりもつけられている。また関東地方の通勤型車両には珍しく、4号車には車いす対応のトイレが設けられており、長距離利用等に対応した。いずれの車両も室内灯は調光機能付きのLEDが採用され、前述のコンセントの他無料で使用できるFree Wi-Fiの導入がなされ、車内環境の改善のため空気浄化装置が取り付けられている。また車内案内表示器は扉鴨居部以外に天井部にも取り付けられた。40000系は2017年3月のダイヤ改正より座席指定列車「S-TRAIN」の運用を中心に営業運転を開始した。「S-TRAIN」は平日と土休日で運行範囲が変わり、特に土休日は西武秩父・飯能〜元町・中華街を結び、東急電鉄・横浜高速鉄道では初の座席指定車両となった。2018年からは新宿線・拝島線での「拝島ライナー」への使用も開始され、その運用範囲を着実に増やしている。なお、座席指定列車以外に通常の運用に投入されることもあるが、その際はすべてロングシート状態で運用される。2019年以降は、既存のデュアルシート車両のみならず、トイレなしオールロングシートの編成も導入されており、40050番台に区分されている。40050番台は実質的な6000系の後継車両の位置づけであり、2020年8月からは地下鉄・東急線への直通運用にも充当されている。

 2018,05,20 多摩川


■Variation
 40000系の中でも、2019年以降に製造されたオールロングシート車両は50番台に分類される。デュアルシートの0番台とは異なりトイレは設置されていないが、10号車のパートナーゾーンは引き続き設けられている。この50番台は2000系や9000系の置き換えを目的に増備が進んでいるが、当初より地下鉄、東急線への直通に対応しており、実質的な6000系の後継車両ともいえる。

 2021,10,24 多摩川
2021/12/09