雪10形(初代)
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 初代の雪10形は1920年の時点で導入されていた除雪車である。既存の2軸旅客車をベースに除雪車に改造したもので、所謂「ササラ電車」とは異なり前面に大型のスノープラウを取り付けている点が特徴で、「プラウ式除雪車」と称された。このスノープラウは複線区間で除雪を行う都合上進行左側を向いており、道床にある氷雪の塊を削り道床から除ける役割をもっている。またプラウを使用しない場合は側面に畳めるようになっていた。導入当初は当時の木造旅客車両と同じくダブルルーフを有していたが、後年の改造によりダブルルーフはなくなり、正面左側に乗務員乗降用の扉を有する形態に変わっている。1958年になりプラウ開閉の自動化とブレーキの圧縮空気式への改造が行われ、片側の端部に空気ダメを格納したボンネットが新設されている。最晩年は集電装置がZ型パンタグラフとなり、パトランプも追設されている。他の「ササラ電車」と同じく除雪用に用いられたが、路線縮小の余波を受けて1974年に廃車されており、現在は札幌市交通資料館に保存されている。

 2014,06,28 札幌市交通資料館


■Variation
 反対側を見る。乗降用の扉は側面ではなく前面に備え付けられており、乗降用のデッキを備え付けている。なお、こちら側には空気ダメが設置されていない。

 2014,06,28 札幌市交通資料館