A1200形
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 2013年登場。経年の進んだ旧型車両の置き換え及び近い将来に予定されている市電延伸・環状線化をにらんで製造された車両であり、3300形以来12年ぶり、また完全新製車としては8520形以来実に25年ぶりとなる新型車両である。車体はアルナ車両にて製造されており、同社等が手掛ける超低床車両である「リトルダンサー」の一車両で、そのうち制動に空気制動を用いた17m級3連接2台車車両である「タイプUa」が採用されている。札幌市電は狭軌線であり、その点では豊橋鉄道のT1000形等と同一だが、こちらはGKインダストリアルデザインと地元企業KITABAとの共同で、周辺環境もあわせたトータルデザインのもと設計されている。外観は、側扉部分の黄色い帯を除いて白と黒のモノトーンで統一されており、全体的にスタイリッシュな外観にまとまっている。左右にある前照灯の間はフルカラーLEDによる表示灯になっており、前照灯・尾灯として兼用可能となっている。いずれも他の「リトルダンサー」には見られないもので、同車独特の仕様となっている。モノトーンの外観とは対照的に車内は道産の木材を用いたパネルを多用した温かみのある内装となっており、照明にはLED灯による間接照明が採用されたが、この他木目パネル部には電球色のLED照明も部分的に配置されている。座席はセミクロスシートとなっており、背ずりは黄緑色、座面は黒色のモケットとなった。尚、車椅子利用に配慮すべく一部座席は跳ね上げ式である。またこの車両では札幌市電の車両で初めて冷房装置が導入されており、夏季におけるサービス向上にも一役買っている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式だが、同時期に他事業者に導入された超低床車とは異なり主幹制御器はツーハンドルとなっており、運転特性は既存車にあわせられている。A1200形は2013年3月に第1編成が落成し、同年5月より営業運転を開始した。しばらくは1編成のみであったが2014年には更に2編成が導入され、予定されていた3編成が全て出揃った。この陣容で、2015年12月の市電環状線化を迎えることとなった。

 2014,03,08 電車事業所前