320形
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 320形は1957年に製造された車両である。その前年には自動ドアや弾性車輪、カバー付き蛍光灯等を備えていた580形が製造されていたものの、580形が汽車会社で製造されたのに対しこちらはナニワ工機製となっている。本形式と後続の330形については製造年(本形式の場合昭和32年)が形式の由来となっており、それまでの車両に比べ車両番号が大きく若返っている。前述の自動ドアや弾性車輪、カバー付き蛍光灯等の各種機軸は580形からそのまま引き継いでいるが、こちらは車長が凡そ1.5m増大した他、前面が大きく絞られた流線形状となり、中央に配された大型固定窓の左右に開閉可能な細窓を配置するデザインに改められている(580形は左右二枚窓であった)。当初の制御方式は直接制御であった。320形は7両が製造されており、翌年の新造が330形に移行したこともあり再増備は行われなかったが、本車の前面デザインは所謂「道産電車」のはしりである200形に引き継がれた。1971年にはワンマン運転化改造が施され、同時に制御方式が間接非自動制御に改められたが、識別のためにそれまでの白帯に変わり赤い帯が配された。しかしワンマン化改造されたにも関わらず1973年の部分廃止によって一斉に余剰となり、そのまま廃車されている。廃車後は数両が払い下げ等を受けて保存されており、現在は札幌市交通資料館に保存されている1両を含め、2両が現存している。

 2014,06,28 札幌市交通資料館


2020/06/06