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1995年登場。開業時から使用されていた2000形の老朽化が進み、その置き換えと輸送力の改善を目的に導入された車両であり、南北線では1978年製の3000形以来17年ぶりとなる新型車両である。南北線は乗降客数が札幌市営地下鉄の各線の中でも最も多いが、当時の車両は全長13m級の小型車で、かつ2扉であったことから乗降に支障を生じることが多く、またホーム上の階段位置の都合からホーム延長や編成増強は極めて困難な状況であった。このことから前述した輸送力の改善は喫緊の課題であり、その解消が求められていた。そこで5000形では編成両数が8両から6両に減少した代わり、1両の長さがそれまでの13.8mから他線と同じ18m級に拡大されており、側扉が4扉となっている。これにより、連結部の減少に伴うデッドスペースの軽減や乗降の効率化が実現されており、編成の定員も既存車に比べて大幅に増加したことで混雑緩和に寄与している。尚、片側4扉車体の採用は北海道の鉄道では初めての試みであり、現在も唯一の存在となっている。車体はアルミ製で、エクステリアデザインは前年に投入された東豊線7000形の増備車に準じるが、こちらは扉部分の色がラインカラーを模したエメラルドグリーンに塗装されている他、前照灯は同じ角型ながら配置が異なっている。制御方式は札幌市交通局で初めてIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用され、台車もボルスタレス台車が導入されており、従来の車両に比べて省エネ化や静粛性の向上、保守低減がなされている。また、主幹制御器はワンハンドルマスコンハンドルが初めて採用された。車内はロングシートとなっており、札幌市営地下鉄として初めて片持ち式座席が採用されている。また、LED式の車内案内表示器の他、当初より自動放送装置や車椅子スペースを備えている。5000形は1999年までに6連17本が製造されて2000形を全て置き換えた。しばらくはこの陣容のまま推移したが、ホームドア設置・ワンマン運転実施を行うこととなり、車種統一の目的から2009年以降に3本が製造されている。増備車は基本的形状こそ変わらないものの、当初よりワンマン運転に対応した他車内案内表示器がLCDのものに改められている。増備編成の投入で3000形も全て置き換えられ、5000形は6連20本の陣容となった。南北線の主力車両として活躍が続いている。
2007,11,25 麻 生 |