デキ300形
トップページ鉄道写真図鑑秩父鉄道>デキ300形
 デキ300形は1967年に登場した電気機関車で、日立製作所で3両が製造された。デキ200形の増備機の位置づけであり、車両の形状や寸法、主電動機出力等はデキ200形に準じているが(ただし前面窓の庇が廃され、避雷針の設置位置が変更されている)、デキ200形で特徴的であったL型軸梁式の台車は採用されず、デキ100形と同じく軸バネ式の台車が採用された。すなわちデキ100形とデキ200形を足して2で割ったような機関車であるといえる。デキ200形で採用されたL型軸梁式台車は粘着性能に優れ空転防止に一役買っていたが、本形式では従来型の台車が採用されているため、空転発生時に電動機を自動的に弱め界磁とすることで再粘着を図る方式で補っている。なお、製造当初の前照灯は後継のデキ500形とは異なり白熱灯の2灯配置であった。また塗装も茶色を基調に腰部が白く塗装されたもので、この塗装で製造された最後の機関車でもある。後にデキ500形にあわせた塗装変更や前照灯のシールドビーム化等の細かい形態変更を経ながらも、現在まで全車現役で使用されている。基本的には貨物列車の牽引専属で使用されるが、稀に旅客輸送で12系を牽引することもある。

 2013,10,06 武 川