デキ100形
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 デキ100形は1951年に登場した電気機関車である。1973年までに8両が竣工したが、デキ101・デキ102〜106・デキ107及び108号機と大きく3タイプに分類することが出来る。

 デキ101号機は1951年に製造された全長12mの電気機関車で、当初は秩父セメントの私有機デキ8号機として竣工した。秩父鉄道線の架線電圧が直流1200V時代に製造された機関車だが当初から直流1500V電圧に対応しており、昇圧後もそのまま使用された。1954年の増備車製造に伴いデキ101号機に改番され、後に製造された車両に比べて電動機出力が劣っていたことからED38形等と共通の運用を組み、後にパレオエクスプレスの後補機に抜擢されたが現在はデキ200形に置き換えられており、長期留置の末2006年に廃車されたものの現在まで広瀬川原に留置されている。

 デキ102・103号機は1954年、デキ104〜106号機は1956年にそれぞれ製造された。デキ101号機と比べ全長が60cm延びた他出力も増強されており、1000tもの重量の貨物を単機で牽引できる性能をもつ。1954年製の2両と1956年製の3両ではデザインが若干異なっており、とりわけ後者はやや丸みを帯びた車体となっている。このグループはデキ106号機が2008年に脱線事故を起こして運用を離脱し、デキ104号機が車両故障に起因し2015年に除籍されているため、稼働機は3両に減少している。残存機は他の車両と共に主力車両の一翼として使用されている。

 デキ107・108号機は後述する。


 2007,09,10 武 川


■Variation
 デキ107・108号機の2両は元々岩手県の松尾鉱業鉄道で使われていた機関車で、1951年に製造された。車体はデキ101号機と同じ12mだが電動機出力はデキ102号機以降と同じで、それらと共通の運用に就くことができる。また、寒冷地で使用されていたため前面窓につらら切りが装備されている。松尾鉱業鉄道時代と同じ塗装で秩父鉄道に導入され、一旦は塗り換わったもののその後は元の塗装に塗り変わるどころか他の車両がその色に合わせることになった。2015年にデキ107号機が除籍されているため、デキ108号機のみ残る。

 2007,09,10 武 川
 最初に製造されたデキ101号機。元々デキ8号機として竣工し、後にデキ101と改番されている。デキ102〜106号機に比べて全長が短く、かつ主電動機出力が比較的低かったため他のデキ100形との共通運用が組めず、従来車と共用されていた。1988年のパレオエクスプレス運転開始後に回送運転時の牽引機として指定されたが、1996年以降は使用されず、2006年に除籍されるまで広瀬川原車両基地で留置されていた。現役末期に茶色地に袖部白帯が巻かれた姿に変わり、そのままの姿で現在まで存置されている。

 2018,05,19 広瀬川原車両基地
 2011年の広瀬川原車両基地一般公開に合わせ、赤地に白帯を巻いた姿に塗り替えられたデキ103号機。青地の塗装の車両が大半を占める秩父鉄道の電気機関車の中では異彩を放っていたが、2014年に元の塗装に戻されている。

 2013,10,06 三ヶ尻〜武 川

2018/05/19