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9300系は2023年に導入された泉北高速鉄道では最も新しい車両である。南海電鉄が導入している8300系をベースとしており、南海8300系と同じく近畿車輌にて製造されている。デザインは南海8300系とほぼ同一だが、こちらは前頭部から乗務員室扉付近までアイボリーホワイトに塗装されており、側面の帯色も青色一色となっている点が異なる。従来の泉北高速の通勤型車両のうち、5000系以降は青と水色の帯が配されていたが、本形式導入を機に青色に統一されることになった。制御方式は泉北高速鉄道の車両として初めてハイブリッドSiC-VVVFインバーター制御となった他、主電動機は全閉内扇型の誘導電動機が採用されており、メンテナンス性・静粛性の向上が図られている。車内はオールロングシートで、高野線に投入された8300系と同様フローリング調の床と木目調の化粧板・袖仕切りが特徴の内装となったが、こちらは化粧板と袖仕切りの木目調、さらに優先席付近以外のつり革がこげ茶色となっており、座席モケットも既存の泉北高速鉄道の車両に併せ、濃淡赤色の片持ち式バケットシート(優先席は黄色)が採用されている。袖仕切りの形状は同時期に製造された8300系と同型となっている。車内設備としては車椅子スペースが完備されている他、一部扉付近は座席と扉の間隔がラゲージスペースとして空けられている箇所がある。車内案内表示器は17インチサイズのものが千鳥配置されている。なお、車内照明は全てLED灯に統一されている。9300系は2024年の時点で4連4本が製造されており、最初の2編成は2023年8月から営業運転を開始した。専ら2本つないだ8両編成を組み、泉北車の8両編成が充当される運用に投入される。
2024,07,31 天下茶屋 |