70系
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 試作車が1988年、量産車が1990年に登場。1990年に開通した鶴見緑地線(現在の長堀鶴見緑地線)用の車両である。この車両が採用している鉄輪式リニアモーター駆動方式は日本で最初に採用されたものであり、一番最初に落成した試作車は、南港地区においてしばらく走行試験が行われた。車体はアルミ製であり、白を基調にラインカラーの黄緑と緑を配したデザインとなっている。制御方式は20系に引き続きGTO-VVVFインバーター制御方式で、後に都営12-000形の初期車にも反映されている。尚、集電装置には日本の旅客車両としては初めてシングルアームパンタグラフが採用された。本格的に日本でシングルアームパンタグラフが採用されるのは更に後のことであり、特筆的な事項の一つといえる。車内はロングシートで、サービス向上の為に案内表示器も設けられたが、車体断面が小さいことから乗降扉鴨居部には設置されず、車端部の扉横に設置された。この表示器は2段式であり、沿線名所の表示や形式名の表示といった他線では見られない独自の表示も行う(更新工事施工車は一段表示に変更され、独自表示は行われなくなっている)。70系は延伸の度に増備を重ねており、現在は4連25本の陣容となった。同時期に製造された都営12-000形が既に全廃となっている状況だが、こちらは1両の廃車も発生せず、全車とも長堀鶴見緑地線の主力車両として活躍している。尚、2011年より更新工事が施行されており、施行された車両は外観がホームドア設置時にも分かりやすいデザインに変更されており、更に内装の一部変更や制御装置がIGBT-VVVFインバーター制御となるなど、機器面も変更されている。

 2008,03,12 心斎橋


■Variation
 京橋〜心斎橋開業時以降に製造された車両は、前面下部が黄緑色に塗られている。また、側面の帯も配し方が若干異なっている。

 2008,03,12 蒲生四丁目
 更新工事が施工された70系。外装は後期型のデザインをベースに、ホームドア上でも視認できるようデザインがリファインされている他、前照灯がLED化されている。制御方式は80系同様のIGBT-VVVFインバーター制御方式に改められ、内装も照明のLED化や車内案内表示器の換装などがなされている。

 2018,09,24 心斎橋
 2015年に更新された編成からは外装デザインが更に変更され「華やかさ」をテーマに大阪市の花である「桜」の色を取り入れた。これにより内外装とも桜色を多用した色使いとなった。なお、側扉は黄緑一色に塗装され、側面上部に桜色の帯を配するなど、ホームドア上でも車両が識別できるよう工夫されている。なお、2016年の更新車からは車内の網棚が送風機設置に伴い縮小されている。

 2018,09,24 心斎橋