30000系
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 2008年登場。唯一の抵抗制御車で老朽化も進行していた新30系の置き換えを目的に投入された、大阪市営地下鉄では最も新しい車両である。車体はレーザー溶接を用いたビードレスステンレス製車体となっており、歪みの少ないすっきりとした外観となった。新20系がくの字状の形状をしていたのに対しこちらの前面は丸みを帯びた半流線型のデザインとなり、前照灯・尾灯はいずれも上部の左右に配置された。行き先表示器は大阪市営地下鉄の車両として初めて前面・側面共にLEDが採用された。当初第1編成のみ全て3色LEDであったが、以降の車両は前面はフルカラーLEDに改められた。台車は新20系で試用された新型台車が採用されており、高速性能・曲線通過性能の向上と、走行時の静粛化が図られている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式となっており、補助電源装置として大阪市営地下鉄の第三軌条路線で初めてSIVが採用された。車内はロングシートで、片持ち式座席が採用された他、扉横スペース及び1人あたりのシート幅の拡大もあり、扉間の座席の定員は5名となっている。谷町線の車両は、通常席のモケットはオレンジ色、優先席のモケットは青色となっている。また大阪市営地下鉄では初めて扉鴨居部に液晶表示器が千鳥配置ながら設けられ、4か国語での案内が可能になった(ついていない側は開閉案内表示器が取り付けられている)。尚、従来の車両に比べて床面高さが40mm低減されており、ホームとの段差が小さくなり乗降しやすくなっている。30000系は前述の目的から谷町線に導入され、第1編成は2009年3月に営業運転を開始した。その後2013年までに6連13本が製造され、同年までに30系を一掃した。この結果大阪市営地下鉄の車両は全て回生制動を有する車両で占められた。尚、30000系は付番方法は新20系に準じており、それ故最初に導入された谷町線用の30000系は32系と呼称される。2011年からは10系のうちチョッパ制御方式で残存している車両の置き換えを目的に御堂筋線にも投入され、こちらは31系と呼称されるようになった。こちらは10両編成となり、ラインカラーの赤を基調とした帯を纏う他、前面の塗り分けが弧を描いたものになった。車内も仕様変更が生じ、ロングシートのモケットは赤色となり、座席配置の変更により一部の乗降扉付近のスペースが拡大された。また荷物棚の高さが40mm低減し、地上線も有することからフリーストップカーテンが設けられ、扉鴨居部のLCDは17インチのものに拡大される等、谷町線の32系に比べてサービスレベルの向上が図られている。2019年現在は31系が10連10本、32系が6連13本の陣容であり、31系に関しては今後も増備される予定である。

 2013,07,21 天神橋筋六丁目


■Variation
 最初に投入された32系第1編成。量産先行車であり、この編成のみ当初は前面の行き先表示器も3色LEDとなっていた。量産車登場後に前面行き先表示器がフルカラーLED化された他、この編成のみ台車点検蓋が床材で覆われていたものが他車と同じく露出されている。

 2013,07,21 天神橋筋六丁目
 2011年に導入された御堂筋線用の31系第1編成。同線のラインカラーである赤色のグラデーション帯が巻かれている他、32系とは異なり前面は弧を描いている。車内のカラースキームは本系列独自となり、また液晶表示器が大型化され、「セサミクロ」が導入されたことで滑らか且つ細やかな案内が行えるようになった。更に荷物棚の高さが40mm低くなるなど、サービスレベルの向上が図られている。31系は2011年12月に営業運転を開始した。

 2014,04,26 梅 田
 2013年より落成した31系量産車。こちらは車内の照明がLEDとなっている他、乗務員室と客室の境目にある仕切の窓の大きさが拡大している。今後も10系の置き換えを目的に増備が進む。

 2014,09,16 西中島南方
 民営化後に製造された31系第10編成。2016年以降に製造された31系は内装が既存編成と大幅に変わり、カラースキームの他大型袖仕切りの設置や液晶表示器の連続2画面化、プラズマクラスターの設置、照明のLED化等が行われているが、この編成からは更に主幹制御器のT型ワンハンドルマスコンへの変更、車内防犯カメラの設置、行き先表示へのナンバリング対応などのマイナーチェンジが施されている。

 2019,05,05 新大阪