DD13形
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 DD13形は、それまで蒸気機関車が牽引していた客車列車・貨物列車の無煙化を目的に、1965年に製造が開始されたディーゼル機関車である。当時国鉄が入れ替え用に製造していたDD13形の同型機であり、形状や塗装は国鉄DD13形の111号機以降に準じているが、こちらは勾配区間を有する本線上での鉱石輸送を主眼においているため、機関は過給機・インタークーラーを取り付け、機関出力600PS(100PS出力向上)のものが2基取り付けられている。また、本線運転を行うことから運転台は前後各1か所に設けられている。前面にもルーバーが取り付けられており、国鉄機との外観上の差異となっている。なお、単機での使用を前提としているため、重連総括制御には対応していない。片上鉄道のDD13形は1968年までに5両が製造されたが、1967年製の553号機からはラジエーターが大型化し、全長が伸びている他、従来車に比べて切妻状の前面となった。なお、忌み番号を飛ばしたことから554は欠番となっている。1968年には蒸気機関車は全廃し、以降同機が客貨輸送の主力機として活躍した。貨物輸送の減少に伴い、1978年には556号機が同じ同和鉱業の小坂鉄道に転じている。その後は4両体制で推移したが、1988年には貨物輸送が全廃し、その時点で553・555号機が廃車され、以降は551・552号機が客車列車の牽引に充当され、1991年の廃線を迎えた。廃線まで残った2両のうち551号機は一旦旧柵原駅構内での留置を経て1997年に客車と共に旧吉ヶ原駅構内へ移動し、翌年の柵原ふれあい鉱山公園開園にあわせ動態保存を開始した。552号機は現在までワム1800形と共に旧片上駅構内で静態保存されている。なお、小坂鉄道に転じた556号機についても、小坂鉄道廃線後も小坂鉄道レールパークにて動態保存されているため、同形式は路線廃止から相当年数経過した現在でも半数以上が現存していることになる。

 2015,05,03 柵原ふれあい鉱山公園(吉ヶ原)