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1996年登場。製造から35年経ち老朽化していた3100形の置き換えと、通勤への需要拡大に対応する目的で製造された特急型車両で、「EXE」の愛称が付けられた。3000形以降の小田急特急型車両では唯一愛称に「SE」がつけられていない。同形式は輸送力の確保と、分割・併合に対応し弾力的な運用を可能とするため、20m級のボギー車として製造され、更に編成は6連・4連の2種類が製造された。車体は普通鋼製を基本とし、腐食防止のために一部にステンレスが取り入れられている。塗装はメタリック系のブロンズカラーとなり、前面と車体中央にロマンスカーを表す赤い縦ラインが配されている。前頭部は分割・併合に対応したことから非貫通型・貫通型の2種が存在し、前者はくの字状に傾斜した外観で中央部に愛称表示器が取り付けられた。後者は平面に近い形状で、扉内に内蔵幌を備え、自動での増解結が可能となっている。愛称表示器は正面左側に設けられた。いずれも前照灯・尾灯は窓上に設置された。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式で、小田急の特急型車両としては初めてのVVVFインバーター制御車両となった。台車もそれまでのアルストムリンク式ではなく、2000形等で実績のあるボルスタレス台車が採用された。また台車には特急型車両であることからヨーダンパが取り付けられている。なお、経済性が考慮され電動機出力が増大している変わりに編成全体の電動車比率は1:2となった。車内は回転式リクライニングシートが1000oピッチで展開しており、客室はカラースキームをグレー系とし、全体の照度を落としつつ間接照明や荷物棚にスポット照明が付けられるなど、落ち着いてシックな内装となっている。当初製造された車両は、6連が緑系、4連が青系のモケットが採用され、座席の色で編成の区別がされていたが、1999年製の車両からは統一されたモケットとなり、後に他編成も改められた。なお、展望車や特別席は設けられておらず、オールモノクラスの構成となっている。デッキ部は青系の内装となっており、箱根特急への充当を考慮し売店も設けられた。30000形は1996年2月に営業運転を開始し、一時は10000形等の展望車に変わり小田急のフラッグシップとなった。観光のみならず通勤輸送も柔軟にこなすその姿は新しい小田急特急の形を築き上げたものの、展望車や2階建て車両しかない同車は汎用特急としての側面が色濃く出てしまったこともあり、3000形以降の歴代小田急特急型車両としては唯一ブルーリボン賞を獲得していない。1999年までに6連・4連各7本の70両が製造され、同年までに3100形を全て置き換えた。箱根特急への充当に際しては10連で走行を後小田原で4両を解結、あるいは江ノ島特急との併結を行うなど、同車の特徴を発揮した運用が行われている。製造から20年が経過した2017年により大規模なリニューアル工事が施工されており、施行車は「EXE α」という愛称が付けられるとともに塗装も変更され面目を一新した。この更新では電動車比率が1:1となるよう一部付随車の電動化もなされており、該当車は車番変更がなされている。 2016,06,18 経 堂 |
