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2016年登場。北陸新幹線金沢延伸に伴い北陸本線・信越本線の新潟県内区間を引き継いで誕生したえちごトキめき鉄道では、独自の高級リゾート列車を導入して沿線の観光振興を図ることとした。これにより、既存車の改造ではなく新規に製造された車両がET-122形1000番台で、「えちごトキめきリゾート雪月花」という愛称が付けられている。走行機器の構成・車両性能がET-122形にあわせられたため、同系列の派生番台という位置づけとなっている(ただし保安装置にATS-Pを追設している)が、その内外装は全く別物となっている。車体は普通鋼製で、側面に国内最大級となる曲面ガラスを配したことから、丸みが強調されたデザインとなっている。塗装は「銀朱色」を基調とし、側面には金色のロゴやイラストが配されている。眺望を重視して採用された国内最大級の側窓は、UVカットガラスが採用された他複層構造となっており、結露防止や断熱性の向上が図られている。内装は1両目(糸魚川・妙高高原方)がラウンジ調となっており、座席の全てが日本海・妙高山を向くようになっている。乗務員室背後はハイデッキ構造で、椅子が設けられたフリースペースとなった。2両目(直江津方)は「レストランカー」として2人掛け・4人掛けのボックス席を基調とし、車端部にはバーカウンター「さくらラウンジ」、乗務員室背後にハイデッキ構造のコンパートメントを備えた。いずれの車両も「和モダン」をイメージした内装となっており、更に照明は全てLEDとなり気動車として初めて自動調光機構を備えた。なお、乗車定員は2両あわせて45名となっている。車両自体が新潟トランシスで製造され、ラウンジの床材に阿賀野市の安田瓦、壁や家具類に村上市の越後杉等新潟県産木材を使用、金属部品に三条市・燕市で製造されたものを用いる等、「all made in NIIGATA」という車両コンセプトを高レベルで具現化している。地域に根差すべき第3セクター鉄道による「地産地消」という形で県内の産業振興に寄与し、沿線の観光振興にも多大に貢献している点が評価され、2017年の鉄道友の会ローレル賞に選ばれている。この「雪月花」は2016年4月に営業運転を開始した。通常運行時は食事つきプラン・食事なしプランが選択でき(何れも旅行商品としての販売)、食事付きの場合は新潟出身のシェフがプロデュースする料理等が提供される。基本的には上越妙高〜糸魚川間で雪月花用に組まれたダイヤで運行されるが、イベント等で他線区で特別運転されることもあり、新潟駅や大糸線の南小谷、しなの鉄道の上田までも乗り入れた実績がある。
2021,12,05 直江津 |