HK100形
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 1997年3月の北越急行線開業を前に、新潟鐵工所で製造された普通用電車である。全長20m級の普通鋼製車で、JR東日本のキハ110形や第3セクター鉄道の気動車に見られるように、ワンマン運転に対応すべく片側2扉で乗務員室背後に側扉が配された形状となっている。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式が採用され、回生制動を備えるが、回生失効を防ぐため発電ブレーキも搭載しており、抵抗器が搭載されている。北越急行では最高時速140km/h(後に160km/hに引き上げ)で特急が高速走行することが当初より計画されていたことから、特急に伍して走る普通列車用の車両も高速・高加減速性能が求められた。それにより、最高速度は110km/h、起動加速度は3.0km/h/sと、過密ダイヤを組む大都市の通勤電車に匹敵する性能を有している。なお、製造コスト削減の意味合いもあり、主電動機は既にJR東日本で導入されていたものが活用されている。なお、台車はボルスタレス台車となっているが、こちらは新潟鉄工所製となっている。HK100形は0番台が1997年の開業までに9両が製造され、その後1999年に1両増備された。このうち、HK100-8・9の2両は当初よりイベント対応車として特別塗装となっており、また車内は転換クロスシートとなっていた。その他の車両はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートとなっている。いずれの車両も、所要時間が比較的短いこともありトイレは設けられていない。HK100-9は2002年にプラネタリウム列車へと改造され、沿線に多く点在するトンネル内で星空を映し出すことができるようになった。同車は「ほしぞら」という愛称がつけられたが、これが好評であったことから、翌2003年には車両新造によりプラネタリウム車両を増備することになり、100番台2両が増備されている。同番台は片運転台となっており、前面の照明が変わっている他、塗装が白基調にクリムゾンレッドとシルバーのラインを配したものへ変わっている。車内は転換クロスシートで、プロジェクターを備えてトンネル内で星空等の演出を行うことが出来る(「ほしぞら」と異なり星空以外の演出を行うことも可能)。同車は「ゆめぞら」という愛称がつけられた。その後2008年にHK100-8・9が2両とも「ゆめぞら」と同様のプラネタリウム車両へと再改造され、同車は100番台と同塗装に変更された他「ゆめぞらU」という愛称がつけられた。現在も12両の陣容のまま推移しており、2010年から2014年にかけて0番台10両の車体更新が行われ、塗装パターンが変わっている。2015年のダイヤ改正で北越急行からは特急列車が新幹線に移行し廃止されたが、HK100形はその高速特性を活かし、従来の普通列車や快速列車の他にも越後湯沢〜直江津間に主要駅のみ停車する超快速「スノーラビット」へ投入され、更にえちごトキめき鉄道にも乗り入れるなど、ますますその活躍の幅を広げている。なお、「ゆめぞら」編成は臨時列車として群馬県の水上まで入線した実績を持つ。

 2013,10,20 虫川大杉


■Variation
 未更新車の姿。一般車両は登場当初このような塗装となっていた。更新工事の進捗に伴い、2014年にこの姿は消滅している。

 2013,08,14 十日町
 HK100-8と9は当初よりイベント対応車として製造され、特別塗装となっていた他車内は転換クロスシートとなっていた。HK100-9の「ほしぞら」への改造を経て、2008年には2両とも「ゆめぞら」に合わせたプラネタリウム車両へと改造され、塗装も100番台に揃えられて「ゆめぞらU」と愛称が変わっている。

 2018,08,26 直江津
 2003年に増備された100番台。尾灯が東武8000系の後期更新車に類似したHID灯を併設したものに変更されている。「ほしぞら」で採用されたプラネタリウムを更に改良し、複数の演出を可能とした点が特徴である。他のHK100形と異なり片運転台で、基本的には100番台同士で2両1編成を組むが、1両ごとに他車を併結することも可能となっている。

 2013,10,20 十日町

2016/11/27