161形
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 1928年登場。前年に製造された151形をベースに、平野線(現廃止)における連結運転に対応した連結器及び間接非自動制御器を追加装備して製造された車両であり、路面電車車両としては総括制御に対応した最初期の車両である。全長13m級の半鋼製車体で、運転台背後に片開き扉を備えるほか、中央に両開き扉を備え、主にラッシュ時の輸送にその効力を発揮した(もっとも同時期に投入された151形も同様の車体である)。161形は1930年までに16両が製造されたが、戦後になって3両が多段式制御方式のモ301形(廃形式)に改造され、不足分を151形2両の改造で補ったので長らくの間15両体制が続いた。尚、平野線での連結運転は1961年に終了し、その後関連装備を撤去したことから、結果的に151形との相違はなくなった。1976年以降ワンマン化改造が施され、同時に車体右側にあった扉が閉鎖され、且つ前面に方向幕が取り付けられて現在のスタイルとなった。ワンマン化改造は行われたものの、車体強度の問題から現在に至るまで冷房装置は取り付けられていない(2014年まで残存した車両にはICカードリーダーが増設されている)。2018年には登場から90年を迎え、今や日常的に定期運用に就く日本最古の車両となったが、それでも最近まで9両とまとまった両数が在籍しており両開き扉を備えた大型車体を活かしてラッシュ時を中心に使用された。非冷房車両ゆえ夏期の運用は非常に少なくなっており、また現在は新型の連接車両である1001形が投入されていることから、残存車両についても一部は置き換えの対象となっている。結果過半数の車両が廃車され、現在は4両のみの陣容となっている。このうち161号車は2011年に1960年代の姿へと復元されており、基本的にはイベント専用車両となっている。

 2008,03,14 住 吉


■Variation
 162号車及び163号車は2008年当時南海電鉄時代の塗装に塗り替えられていた。現行塗装と比べてもこちらの方がやはりレトロなイメージを醸し出している。尚、161号車は阪堺電気軌道の開業100周年を記念して2011年に旧塗装への塗り替えを始めとして内外装共に昭和40年当時の姿に復元されている。

 2008,03,14 住 吉
 165号車及び170号車は我孫子道駅近くに存在する鉄道喫茶「あびこ道」の広告車両となっており、なんと南海電鉄(鉄道線)でかつて採用されていた濃淡の緑色に塗られていた。尚、同車は南海時代は上に掲載した塗装であり、この塗装で走行した事はない。尚、2012年に再度青地に金帯が巻かれた姿へと塗装変更がなされており、既にこの姿は見られなくなっている。

 2008,03,14 東玉出
 2011年より青地の雲塗装となった168号車。塗装変更や廃車が続いたことにより、標準塗装を纏う161形は既に営業線上には存在しない。この車両は雲塗装のまま廃車され、現在は貝塚市内に静態保存されている。

 2014,04,28 住吉鳥居前
 車齢90年を迎えた161形。2018年時点でも現役を続ける162号車は、2014年より緑色一色に塗装されている。

 2018,02,11 帝塚山三丁目