500形
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 1966年登場。老朽化した木造車両の置き換えを目的に製造された車両である。製造コスト削減のために路線縮小のあおりを受けて廃車された大阪市電1701形の発生品を流用し、新造した全金属製の車体を載せた機器流用車両であり、車体は従来車よりも0.5m長くなっているもののより軽量化が図られている。全体的に角ばった形状となった他、また前面の窓が従来車に比べてより大型化されており、製造コスト削減とデザインの両立化が図られている。側扉は370形同様前・中扉となっているが、こちらは中扉が引き戸となっているのが特徴となっている。また同車は長崎電気軌道の車両では初めてワンマン仕様で製造されており、当初より自動扉が採用された他、車内ミラーや放送装置が設けられている。同車以降、車両のワンマン化が順次行われることとなり、その先駆けとなった存在であるが、当初はワンマン運転自体は行われず、1968年に開始されている。またそれに合わせてバックミラーが追加設置されている。500形は1966年中にナニワ工機にて6両が製造されたが、以降の増備はなかった。この後1980年まで自社発注の新造車は途絶え、その間の車両増備は他事業者からの譲受車によってまかなわれることとなった。500形自体は1984年の冷房化改造・1986年の台車交換(西鉄の発生品へと換装)を経ており、近年まで全車両とも現役で使用されていた。2014年3月に1両が廃車されたが、残りの車両は現在も主力車両の一つとして活躍している。

 2013,03,15 長崎駅前


■Variation
 質屋の全面広告が施された505号車。長崎市電は全面広告車の割合が高く、また時期によって変わるためそのバリエーションは非常に豊富である。

 2013,03,15 長崎駅前
 前照灯がシールドビーム化された504号車。廃車された501号車以外は2010年代に前照灯の換装が進み、若干印象が変わっている。

 2019,03,10 諏訪神社