360形
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 360形は1961年に製造された車両であり、同年に7両が日本車輌にて製造された。形式の「360」は昭和36年に製造されたことに由来している。300形の増備車両という位置付けではあるが、同車では長崎電気軌道の車両として初めて車体が全金属製となった点が特徴である。同時期に他社に導入されていた新型車両を参考にした軽量車体となっており、300形と比べると実に1tも自重が軽減されている。また前面も中央の窓が拡大される等、印象が変わっている。それまでの車両が前後扉であったのに対しこちらは前・中扉となっており、以降に製造される車両は最新の連接低床車を除いてすべてそのスタイルが採用されている。車内はロングシートとなっており、初めて車内照明に蛍光灯が採用されている。このように360形は内外装とも従来車両に比べて近代化が図られている。尚、制御方式と駆動方式は従来車と変わらず、直接制御・釣り掛け駆動方式である。翌年に製造された車両は形式が変更されているため、360形は7両の陣容のままで推移した。登場翌年の1962年には蛍茶屋車庫で360形の1両が本線上まで暴走し他の360形に追突するという事故が発生しているが、この事故で前面強化・補助ブレーキの増設がなされることとなっており、前述した近代化を含め、良くも悪くも以後の車両の方向性を定めたと言える。事故の該当車両も修繕の後に復帰しており、1969年のワンマン化改造・1983年のワンマン化改造・2008年のICカード対応等の変遷を経ながら現在に至るまで全車とも使用されており、主力車両の一翼を担っている。尚、近年は前照灯・尾灯の換装が行われつつあり、換装された車両は若干印象が変わっている。登場時から大きな形態変化はないが、前述したワンマン化や冷房化の他、現在は前面中央窓や側扉の窓にHゴムが採用されており、その点は登場時から印象が変化している。

 2013,03,15 浦上車庫前


■Variation
 銀行の全面広告を纏っている364号車。基本的には緑とクリームのツートンカラーを纏っているが、同車も他形式同様全面広告を纏うことが多い。

 2019,03,09 西浜町