211形
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 211形は、大橋〜住吉延伸開業後の輸送力増強を目的に1951年に登場した201・202形の増備車であり、同年中に6両が製造された。この形式は全車とも201形と同じく日立製作所で製作されており、車両の形状や寸法の他、ウィンドヘッダーがない等同形式の特徴を受け継いでいるが、201形が電装品に三菱製のものが使用されたのに対しこちらは全て日立製で揃えられている。また、台車も新形式のものが搭載されている。当初は前照灯は上部に設置されていたが1969年以降順次ワンマン化改造が施されており、その際に窓下に前照灯が移設された他、それまでは通常の3枚窓であった前面窓が全て2段化され、上段窓は固定化されている。またあわせて集電装置がビューゲルからZ型パンタフラフに改められている。これにより製造当初とは大きく印象が変わっている。1985年には冷房化改造が施され、同時に天井部分等の改修も行われており、屋根は張り上げ屋根に変更された他、それまで白熱灯を採用していた灯具は全て蛍光灯化されている。また、合わせて行き先表示器が大型化及び電動化されたほか、前面窓の上部が黒Hゴムにより固定されており、これにより現在に近い姿に変わっている。冷房化改造後も側面への方向幕の設置や2000年以降ステップの改良工事がなされる等現在に至るまで小規模な改造も施されつつ、製造から既に65年が経過した現在に至るまで1両の廃車もなく主力車両の一つとして活躍している。

 2016,11,13 思案橋〜正覚寺下


■Variation
 前照灯がLED化された211形。201/202形に次いで古参の形式ではあるが、こちらも前照灯のLED化は例外なく施工されている。

 2023,09,23 浦上駅前
2023/12/02