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400形は1959年に投入された車両で、仙台市電では最後に新造されたものである。1963年までに15両が製造された。当時製造されていた東京都電8000形をベースにした全金属製の車両で、中央に二段窓、その左右は角度をつけて開閉可能な細長い窓を配した「三面鏡」のような前面形状と、中央窓の上部に大型の方向幕を搭載したスタイルを継承している他、灯具類や減速機等に自動車用の汎用品を採用する等、軽量化やコストダウンを念頭においた車両となっている。なお、仙台市電は狭軌であり、車体限界の関係から都電8000形と比べて前面が絞られた形状となっている他、前扉が函館市電710形等と同じく2枚引き戸となっている。初期に製造された車両は、既存の車両と同じく釣り掛け駆動方式を採用していたが、1961年以降に製造された6両については、仙台市電として初めて直角カルダン駆動方式が採用された高性能車となり、この6両については動輪と従輪で大きさが異なる異径台車が搭載された。1963年に製造された最終増備車では再び釣り掛け駆動方式に戻っているが、路面電車の同一形式内で制御方式の異なる車両が混在している例は、当時としては非常に珍しいものであった。なお、直角カルダン駆動方式の車両も含め直接制御方式であり、間接制御は採用されていない。車内はロングシートで典型的な路面電車の車内だが、前面が絞られている関係で乗務員室背後の座席のみやや湾曲している。前述のとおり1963年製のモハ415号車を最後に仙台市電における新造車は途絶え、以降の単車の置き換えは茨城交通や呉市電等他事業者からの譲渡車両で行われることとなった。車歴も浅いことから1960年代以降の仙台市電では主力車両として活躍し、全車とも1967年にワンマン化改造が行われた後、1976年の市電全廃まで在籍したが、他事業者への譲渡はなく全車市電全廃と運命を共にしている。ラストナンバーとなるモハ415号車は解体を免れ、長町車庫跡での保管を経て現在は仙台市電保存館にて静態保存されている。
2018,08,25 仙台市電保存館 |