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1形は1926年の仙台市電路線開業に合わせて配備された車両であり、1928年までに30両が川崎造船所で製造された。全長8m級の木造2軸単車で、屋根形状は2段式の丸屋根となっていた。この時期の他の路面電車にも見られたように、当初は前面下部には救助網が備えられていた。なお、寒冷地故にオープンデッキ構造ではなく、乗務員スペース後部に乗降扉を備えていた。内装は一般的なロングシートであった。集電装置は当初ポール集電で、台車は当時一般的なブリル21E台車を元に川崎造船所が製作した台車が搭載されている。なお、増備の途中で側窓の変更等のマイナーチェンジがなされている。塗装は当初茶色一色であったが、後にクリームと臙脂のツートンカラー(窓下に白帯)に改められ、現役晩年はクリームとダークグリーンのツートンカラーとなっていた。後年は集電装置もビューゲルに改められている。戦前の黎明期から戦後まもなくに至るまで仙台市電の主力車両として使用され、戦後は輸送力増強に対応するため一部が2両連接車に改造されており300形に改番されている。1960年代になっても纏まった両数が在籍していたが、ボギー車と比べて収容力が低く木造車ゆえの耐久性の低さが指摘されたこともあり、他事業者からの譲渡車両(ボギー車)によって置き換えられ、1965年までに第一線を退いている。その後トップナンバーのモハ1号車のみ市内の大町西公園に静態保存されたが、1976年の市電全廃に際し、記念電車に充当するため動態復元されることとなり、徹底した修繕の他救助網の復活や集電装置のポールへの復元など、開業時に近い姿に改められたうえで、廃止当日の市電を自走し仙台市電最後の花道を飾った。市電廃止後のモハ1号車は大町西公園には戻されず旧長町車庫内で留置された後、現在の市電保存館開業に際し移設され、同地で静態保存されている。
2018,08,25 仙台市電保存館 |