270系
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 1977年登場。北勢線の車両近代化の為に投入された全長15mの大型車両であり、モ270形とク170形の2種類が製造された。特殊狭軌線の車両では最も大型の部類であり、従来車に比べて大幅な軽量化がなされている点が特徴である。従来の車両は総括制御が行えず、両端駅では電動車を機回しの上で編成の先頭に来るようにしていたが、この車両は間接制御方式による総括制御によりその手間を省き、大幅な運用の効率化を実現させた。ただし駆動方式はカルダン駆動方式とはならず、従来からの釣り掛け駆動方式を踏襲している。設備面では両開きの自動扉を採用し、ラッシュ対策にも一役買っている他、ラインデリアの採用など冷房化こそならなかったものの接客サービスも向上されている。本形式の導入により、サ130形やサ140形も本形式と編成を組むようになり、側扉の自動化や総括制御への対応がなされた。更に残存した220形も同時期に総括制御に対応し自動扉も導入されており、結果的に機回しの廃止など、輸送効率の向上に大きく寄与している。当初モ270形6両、ク170形2両が製造された後、1990年にモ277形1両が追加増備され、このグループとしては9両の陣容となっている。三岐鉄道移管後は高速化改造や冷房化改造などがなされており、今後も主力車両としての活躍が続くものと思われる。尚、各種改造に伴い各車両とも形式が変更されており、とりわけク170形に関しては新たに電装化がなされている。

 2008,03,17 東 員


■Variation
 西桑名で発車を待つ273号車。このようにラッピング広告を施されることもあり、異彩を放っている。尚、273号車以降の車両は高速化改造こそ施されたものの、西桑名方先頭車が130・140形で電装化できないことから、冷房化はなされずに形式も「クモハ273形」と分けられている。

 2008,03,17 西桑名
 1990年に増備されたモ277号車。260系登場以後に製造されている為同車の設計も取り入れられており、自重は他のモ270形と比べて軽くなっている。また、前面窓が一枚窓に改められており、外観上の特徴といえる。車内は1人掛けのクロスシートとなっており、これも260系と同様である。高速化改造後はクモハ277形となり、専ら200系と編成を組むようになっている。尚、現在のところ電気機関車を除き純正な新造車で釣り掛け駆動方式が採用された車両は同車が最後となっている。現在は200系共々三重交通時代のツートンカラー塗装に塗り替えられている。

 2008,03,17 北大社車庫
 2019年時点でのクモハ277号車。編成を組む200系と同じく三重交通時代のツートンカラーに塗り替えられている。因みに200系が塗装変更されてからしばらくは本車両のみ三岐鉄道カラーのまま存置され、混色編成となっていた。なお、クモハ277号車の行き先表示器は2017年にLED式のものに換装されているが、200系は表示器の大きさが異なることから方向幕のままとなっている。

 2019,07,16 楚 原
2019/09/01