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1850系は1992年に製造された車両である。前年に製造された1800系に酷似しており、車体はほぼ同一であるが、こちらは主要な機器類を廃車になった7500系から流用している点が特徴である。同年には同じく機器流用車の1030系・1230系が製造されており、本形式はそれらの2両編成版ということができる。制御方式は種車のものと同じ界磁位相制御方式を引き継いでおり、補助電源装置も電動発電機となっている。また、1800系は1M1Tで2連を組んでいたが、こちらは2両とも電動車となっている。歯車比は1000系等の特急車に合わせられており、最高速度は120km/hとなっている。車内は乗務員室背後を除き転換クロスシートとなっている。補助椅子や妻面の車内案内表示器など、アコモデーションは当時の1800系と同一である。1850系は一挙に2連3本が製造されて1800系と混用され、ラッシュ時間帯を中心とした特急・快速特急の増結や、日中を中心としたローカル線区での単独運用など幅広く用いられた。かつては1800系等を組み合わせた3本併結の本線急行運用にも充当されたことがある。長らく1800系との混用が続いたものの、2015年に本形式の単独運転において短絡によるショートに起因したオーバーラン及びポイント破損を引き起こしたことから一時全編成運用を離脱することとなった。事故当該の編成は翌2016年に廃車され、残る編成は運用復帰したものの2016年のうちに更に1本が廃車され、以降は2両1本のみの陣容となっていた。最後の1本も9500系への置き換えで2019年に廃車されており、1800系が全車更新されたのと対照的に形式消滅となった。
2008,08,12 知 立 |