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1991年登場。名鉄では1990年より同一の特急の中に自由席車(一般車)と指定席車(特別車)を混結するようになり、誤乗防止や性能統一の観点から一般車両用に1200系を製造し、1000系と1200系を組み合わせて両者を混用した6両編成を組成することになったが、同編成の増結用及びローカル運用の車両体質改善を目的として製造された車両がこの1800系である。車体は普通鋼製で、デザインは1200系に酷似しているが、こちらは1M1Tの2両で1編成を組んでいるのが特徴である。増結用途以外に単独での運用も考慮されたため、「パノラマsuper」という愛称は表示されず、また1200系で搭載しているミュージックホーンも採用されていない。走行機器類は6800系に準拠しており、制御方式には回生ブレーキ併用の界磁添加励磁制御が採用されているが、歯車比は1000系等にあわせられており、最高時速は120km/hとなっている。なお、補助電源装置は静止型インバータが採用されている。車内も1200系に準拠しており、乗務員室背後にロングシートがある以外は転換クロスシートとなっている。扉付近には補助椅子が設けられている他、妻面には車内案内表示器も備えており、蛍光灯はカバー付きである。1800系は1991年に2連5本が製造され、翌年は機器流用車の1850系の新造に移行したものの、1996年にはラッシュ時の輸送力増強を目的に再度2連4本が増備されており、本系列は2連9本の陣容となった。なお、1996年製の車両は乗務員室背後にロングシートの他車椅子スペースを備えている。基本的にはラッシュ時間帯は特急・快速特急の増結用途として用いられるが、日中は本系列を2本連結しての急行や、2両単独で名古屋本線須ヶ口以北及び竹鼻線の普通として用いられることが多い。過去にはワンマン運転開始前の三河線や各務原線、広見線の他、2001年に廃止された竹鼻線の末端部等でも運用されていた。更には3本併結した6連で本線急行に充当される機会もあった。機器流用車である1850系とは完全に混用されていたが、1850系が2016年から2019年にかけて廃車されたのに対し、こちらは2017年以降2019年までに全編成リニューアルが施されているため、当面の活躍が見込まれる。
2014,06,08 犬 山 |