1030系
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 1992年登場。名鉄では特急政策の見直しで、同一編成内に座席指定車と自由席車を連結する特急「パノラマSuper」が1991年より運転を開始したが、引き続きその増備を目的として製造された車両の一つである。1030系は指定席車で、車体は既に製造されていた1000系とほぼ同一であるが、こちらは同時期に廃車された7500系の発生品を流用していることから形式が分けられている。1230系は種車の制御装置を引き継ぎ界磁位相制御方式となっているが、この1030系は補助電源装置の換装に伴い制御装置も新装され、1000系と同じく界磁チョッパ制御方式となっている。また台車も新製され、ボルスタレス台車が搭載されている。1000系についても増備途中からボルスタレス台車が採用されているが、採用はこちらの方が早い。歯車比は1000系に合わせられており、最高速度は120km/hとなっている。車内は基本的に1000系と変わらず、2両目にトイレ・洗面所を備えている。1030系は2両4ユニットの8両が製造され、1230系と組んで6連を組んだ。1000系・1200系とは共通に運用され、各線の一部特別車特急として使用された。後に台車へのヨーダンパ設置、台車交換、車内の自動販売機撤去と荷物室設置など、他の1000系と同様の変遷をたどっている。2002年に発生した衝突脱線事故の影響で1030系・1230系1編成が運用を離脱し、1230系側が1380系として再起したのに対しこちらは廃車され、以降は3ユニット6両が特急運用を中心に使用された。2015年時点で在籍している1000系には内外装のリニューアル工事が施工されたが、機器流用車である本形式にはリニューアルは施工されず、同年より2200系の増投入で置き換えられることとなった。1131編成は1000系のリニューアル工事における予備車として最後まで在籍したが、これも2019年に廃車されており、1230系共々形式消滅となった。本形式が廃車となった時点で1000系のリニューアル工事は終了しており、本形式は最後まで登場時からの「パノラマSuper」のスタイルを残す車両となっていた。

 2014,06,07 神宮前


2020/05/10