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1991年の嵯峨野観光鉄道開業に際し、牽引用の車両としてJR西日本からDE10形1104号機の譲渡を受けたものである。同機は1971年に日本車輌で製造されたもので、国鉄からJRに至るまで一貫して福知山機関区に配置されていた。譲渡に際しては、客車のデザインと調和するよう赤と黒を基調とした独自のカラーリングに改められている。前面・側面にはそれぞれ「嵯峨野」と表記されたエンブレムが取り付けられた。塗装変更以外は大きな改造は施されていない。嵯峨野観光鉄道線内に機回しを行う設備がないことから、本機は常にトロッコ嵯峨駅方に連結されており、トロッコ亀岡方への運転に際しては、SK-200形から遠隔制御により動作する。車両検査はJR時代から引き続き後藤総合車両所が担っており、検査時には山陰地区でもその姿が見られることがあった。なお、本機の予備機として1156号機が在籍しているが、そちらはJR西日本籍となっている。35年に渡りトロッコ列車牽引に従事していた車両だが、車両の製造から55年が経過し老朽化が進んでいることから、新型牽引機の導入により、客車共々2026年シーズンを以て退役する予定となっている。
2015,03,28 トロッコ嵯峨〜トロッコ嵐山 |