KTR300形
トップページ鉄道写真図鑑WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)>KTR300形
 KTR300形は、老朽化したMF100・200形の置き換えを目的として2019年から導入された車両で、京都丹後鉄道としては初めて製造した車両であると共に、北近畿タンゴ鉄道時代からもKTR8000形以来実に23年ぶりの新形式車両である。新潟トランシス製の所謂NDCの一車両で、車長は置き換えるMF100・200形に比べて2m拡大した全長18.5mとなっている。車体は「丹後の自然と歴史と伝説」をデザインコンセプトとしており、外装は大江山の赤鬼・青鬼伝説に因んだ鳶赤色または千歳緑色を基調とし、窓下部分に太さの異なる金色のラインが3本配されている。それまでのNDCとは灯具配置が見直されており、前照灯・尾灯は窓下に設置された。なお、霧の多い沿線特性から、窓上にはフォグランプが設置されている。鬼をイメージしたこともあり、ライトケーシングはつり目状となっている。行き先表示器はフルカラーLEDとなり、路線記号や種別、行き先ごとに色を変えた表示が可能である。エンジンはコモンレール式エンジンが採用され、燃費性能の向上と環境配慮が図られている。機関出力は350PSで、特急型車両のKTR8000形をも凌駕する走行性能を有する。制動は電気指令式ブレーキとなり、また京都丹後鉄道の車両として初めて耐雪ブレーキを備えた。車内は転換クロスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートとなっている。内装も「車窓から見える天橋立の情景」をモチーフとしており、優先席以外の座席モケットと床は海をイメージした青(優先席はピンク色)とし、化粧板は松林をイメージした濃い色の木目調となった。更に天井部は通風口の左右部を明るい配色の木目調、その両側を白色とすることで、砂浜をイメージした。クロスシート部分には普通列車用の気動車ではあるが充電用のUSBポートが備え付けられている。フリーWi-Fiも設けられたほか、MF100/200形とは異なり、こちらは車端部に車いす対応型のトイレも設けられた。車内照明は全てLED灯で統一されている。このKTR300形は2019年5月に営業運転を開始した。既存車両とブレーキ方式が異なることから当初は単独での運用に限定されていたが、2021年に増備されると余裕が生じたこともあり2両繋いだ運用も行われるようになった。2022年までに5両が製造されて同数のMF100・200形を置き換えており、基本的に宮福線の普通・快速で用いられる。なお、京都丹後鉄道内で汚物処理装置が西舞鶴にしかない関係で、宮津線に入線することもある。

 2024,06,01 宮 津


2024/08/07