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モボ621形は1990年以降に製造された車両である。モボ501形への改造が途中で打ち切りになり、以降も残存していた半鋼製非冷房車のモボ121形を改造種車とし、台車等の走行機器を流用して車体を武庫川車両で新造したものである。1990年代に増備された車体更新車の中では最も早く落成した。全長15m級の車体はモボ501形と異なり直線基調の造形となったが、運転台部分の窓周りが周囲よりも凹んだ所謂「額縁」と称される形状となっている。前面窓は中央で仕切られた2枚窓で、窓上中央に丸形の前照灯、窓下に角型の尾灯を配した。モ501形では側扉が前中扉配置となっていたが、他形式と乗車位置が異なり乗降に支障をきたしたことから本形式では既存車と同じ前後扉配置となっている。これらの外観上の特徴は、2000年製造のモボ2001形まで続くこととなった。機器類はモボ121形から流用されており、駆動方式は釣り掛け駆動方式である他、種車由来のイコライザー式台車を搭載していた。なお、モボ121形の中にはク201形を連結しての走行に対応した車両が存在しその車両のみ4個モーターを搭載していたが、本系列への改造に際しては半数のモーターが流用されている。車内はオールロングシートで、製造当初から車端部に車椅子スペースを2か所設けている。またワンマン運転用にモボ621形は1990年に2両が製造された後、モボ611形やモボ21形への改造が先行ししばらく2両のみの陣容であったが、1995年から翌年にかけて3両が増備され、5両の陣容となった。現在は台車、主制御器の新造品への交換(ただつ釣り掛け駆動のまま)、集電装置の換装、京紫色への塗装変更等の後天的な改造を経つつ現在に至るまで主力車両として活躍している。
2014,09,16 西 院 |