モボ301形
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 1971年登場。嵐山線ではク201形以来実に20年振りとなる新造車両であり、阪神系列であった武庫川車両工業が初めて製造した阪神以外の車両である。車体は全金属製となり、車内灯には初めて蛍光灯を採用する等、半鋼製車両であった従来車に比べて大幅に近代化した姿となったが、台車以外の電装品は既存の機器を流用した為抵抗制御、釣り掛け駆動方式のままとなっている(1996年製のモボ621形までこの方針が貫かれている)。尚、連結器のみは京都市電の発生品があてられている。このように完全新製車ではないものの、後にモボ101形等にも同様の車体が載せられる等、京福電鉄の車両の方向性を決める車両であったと言っても過言ではない。当初はポール集電であったが、1975年にZ型パンタグラフへと換装されている。因みに日本の鉄道車両のうちポール集電で製造された車両は同形式が最後である。モボ301形は2両が在籍し、1988年には冷房化もなされて主力車両の1つとして活躍した。しかし主に機器面の老朽化が目立つようになり、2007年には2両とも運用を離脱してしまった。このまま廃車されることが計画されていたが、地下鉄東西線の太秦天神川延伸に際し利用客の増加が見込まれたことからモボ301号車が翌年3月より運用に復帰し現在に至っている。尚、モボ302号車は運用には復帰せず2011年に廃車されている。

 2008,10,05 帷子ノ辻