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モボ2001形は嵐山本線の開通から90周年を迎えたことを記念して武庫川車両にて製造された車両である。車体はそれまでに増備されていたモボ611形等に準じているが、乗務員室背後に小窓が設けられた点や尾灯等が異なる箇所である。本形式最大の特徴は、京福電鉄の車両として初めてWNカルダン駆動の高性能車となった点にある。制御方式はIGBT-VVVFインバーター制御方式、制動は電気指令式ブレーキ、主幹制御器は左手操作式のワンハンドルマスコンハンドル、集電装置はシングルアームパンタグラフと、京福電鉄での新機軸が多数採用されているが、それまでの車両が機器流用の関係で釣り掛け駆動方式の車両で占められていたところで、いきなりVVVFインバーター制御、かつ当時最新といえるIGBT-VVVFインバーター制御方式の車両が導入されるという非常に稀有な事例となっている。なお、当初は回生ブレーキは搭載されていなかった。車内はロングシートで、化粧板はモボ2001号車は既存車と同じ薄緑であったが、増備されたモボ2002号車はベージュ色となり、明るい印象の内装となっている。既存車両と異なり、乗務員室と客室の間には仕切り扉が設けられている。この他、運賃表示器等にモボ2001とモボ2002で差異があったが、これは後年液晶式のものに統一されている。前述のとおり2001年までにモボ2001、モボ2002の2両が製造され、側扉の位置が異なり運用上の支障となっていたモボ501形のうち半数を置き換えた。以降の増備はなく、2両のみの陣容となっている。他形式に伍して主力車両の一翼として活躍しているが、車両性能が異なるため既存形式とは併結できない。2023年には電力設備の更新により回生ブレーキへの対応化改造が施され、併せてホーム検知装置の新設や戸閉回路の変更、行き先表示器のLED化等がなされた。
2008,03,08 帷子ノ辻 |