デオ720形
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 1987年登場。デオ710形に続き、叡山電鉄のサービス・イメージアップ及び輸送効率の改善を目的として導入された車両で、1988年までに4両が武庫川車両工業にて製造された。車体はデオ710形と殆ど同一で、全長15.7m級、前後2扉配置の普通鋼製車両である。こちらは走行機器類を全てデオ200形の発生品で賄っており、抵抗制御、釣り掛け駆動方式となっていた。(なおデオ200形は1951年に製造された叡山線では初の大型車両で、元々4両の陣容であったことから、デオ720形への更新で全廃となっている)主制御器については、デオ700系列共通で京阪260形のものが流用されている。デオ720形は、デオ710形と共に1987年12月より営業運転を開始し、同時に叡山本線にてワンマン運転を開始した。後に鞍馬線でも営業運転を開始し、現在は叡山本線を主体としながらも全線で運用されている。1991年には車輪軸受の交換や歯車比の変更、1996年にドアチャイムを設置というような小規模な改造が1990年代になされてきたが、走行機器類の換装は、早々に行われたデオ710形とは異なりかなり遅く、21世紀になるまで釣り掛け駆動方式を維持していた。2003年以降に京阪1900系の廃車発生品に主電動機・台車とも換装されており、晴れて高性能車の仲間入りを果たしている。4両という陣容はデオ700系列では最も多く、現在も主力車両の一翼として活躍している。なお、2005年より白基調に緑、黄緑、赤、青のいずれかのラインを配した現行塗装に改められているが、2019年からはリニューアル工事に伴い更に異なる姿となった車両も存在する。

 2015,11,23 宝ヶ池


■Variation
 デオ723号車は現在白基調に新緑を表した黄緑のラインが配された姿となっている。なお、1988年に製造されたデオ723・724号車の2両は、デオ730形と同じく乗務員室に雨樋が設置されている。

 2015,11,23 宝ヶ池
 旧塗装時代のデオ724号車。アイボリーとマルーンのツートンカラーで、京福バスや福井鉄道部の京福電鉄でも見られた塗装であった。同車は最後まで旧塗装を堅持しており、塗りかえ前にヘッドマークの取り付けなども行われている。

 2008,10,04 修学院車庫
 大規模なリニューアル工事が施されたデオ722号車。前年の「ひえい」に続くもので、前照灯や尾灯、行き先表示器の換装のほか排障器が新設され、車内はバケットシートに改められるなど、内外装ともに印象が大きく変わっている。「ひえい」以外のリニューアル車両はテーマカラーが設定される予定で、デオ722号車では寺社仏閣をイメージした朱色をテーマカラーとし、内外装の配色に採用されている。

 2019,07,15 修学院

2019/09/01