MT-3000形(3001号)
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 MT-3001号車は、開業以来使用されていたMT-2100形(元国鉄キハ52形)の置き換えを目的に1993年に新潟鐵工所で製造された車両である。秋田内陸縦貫鉄道等でも見られる前面非貫通構造の半流線形の形状を有し、かつ大型曲面窓を採用して眺望性に優れた車両となっているが、両運転台構造で前後ともこの前面形状となっている点が、他社では見られない特徴と言える。またこの手の車両には珍しく、側窓は2段窓を採用して開閉可能となっている。登場当初は「おおるりしじみ」の愛称を有し、銀色を基調に濃淡ブルーの帯を巻き、車体中央部に「水に映る阿蘇山」をイメージしたラインが配されていた。製造当初の車内はボックスシートとロングシートを配したセミクロスシートで、当初よりワンマン運転に対応していた。なお、路線長からトイレは設けられていない。その後2002年に内装がオールロングシートに改められている。併せて外装が黒と黄色を基調としたものに改められた。本車は1両のみの在籍であったが、MT-3010号やMT-2000形とは相互に併結が可能で、多客時等にはそれらを繋いでの走行も見ることができた。長らく主力車両の一翼として活躍したが、2024年にMT-4000形が増備されると置き換えの対象となり、同年2月の運用を最後に離脱し、同月中に廃車解体されている。

 2023,09,24 高 森


2025/11/03