MT-2000形
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 1986年の国鉄高森線転換を受けて新潟鐵工所にて3両が製造された、南阿蘇鉄道の初代車両である。新潟鐵工所が第3セクター鉄道向けに開発していたNDCシリーズの中でも初期に製造された車両であり、全長15.8m級の車体は前面が大型1枚窓を配した非貫通構造で、側扉はバス用のものを流用した折り戸が採用されている。翌年に製造される錦川鉄道のNT-2000形と非常によく似た形態であるが、塗装や車両の長さが異なる他(錦川鉄道の車両は16.3m級)、こちらは運転台横に窓が上下2つに設けられている等の差異が生じている。当初は白を基調に水色・オレンジのラインを配したおとなしめの塗装となっており、1両ずつ愛称が付けられていた。また、当初台車は1軸駆動のコイルバネ台車となっていた。車内は登場時よりボックスシートとロングシートを配したセミクロスシートであり、路線長が短いことからトイレは設けられていない。1998年からは機器類の更新工事が開始され、コンプレッサーや変速機が換装された他、それまで勾配上での空転が問題となっていたことから台車も2軸駆動の空気バネ台車へと改められている。塗装も現在の赤と白基調のものへと改められた他、乗務員室下部に存在した窓は埋められている。尚、この更新に際して保安装置の整備もなされ、これに合わせ車番の後に「A」を追加する改番も実施されている。増備車両も登場した中で2013年現在も3両ともに現存しており、南阿蘇鉄道の車両の中では最も両数が多い。単独で普通列車の運用に就く他「ゆうすげ号」の増結用車両としても使用され、主力車両として活躍している。尚、NT-2000形と同形態であった錦川鉄道のNT-2000形は既に引退しており、未だに主力車両の同車は初期のNDCの生き残りとしても貴重な存在となっている。

 2013,03,17 高 森